2002年1月5日から2月6日までの立嶋日記。
2002/02/06 19:19
嫌いな子供
『あれがいいな』
今朝、エルビスの散歩をしながら思った。
『絶対あれがいいな』
雲に乗るなら絶対にあの雲がいい、そう思ったのだ。

僕は子供の頃、雲に乗れると思っていた。
ハイジの見すぎと云われようが乗れると思っていた。
ついでに云うと、デビルマンにも自分ならなれるんじゃないかと、思っていた。
かなり真剣に。

しかし、サンタクロースは信じていない子供だった。
僕は、信じたことが一度もない。
姉がいたからだと思う。
もの心ついた時には姉がもう信じていなかったというより、知っていたのだ。
本当は父ちゃんがサンタだということを。

けど、いつだったかクリスマスに僕はサンタに手紙を書いたことがある。
『サンタさん、いつもありがとう』
サンタが親父だということはとうに知っていたのだけど、サンタが実はいるのだと信じ続けることが親孝行だと僕は思っていたのだ。
子供はサンタを信じていなければいけないんじゃないか、そう思っていた僕は必死で子供らしさを演じていたのだ。
正義の味方にもなれないのも知っていた。
実は雲に乗れないなんてことも知っていた。
しかし、どこか子供らしくいたいというクソ生意気な自分が、そう思う振りをして、それを演じてそれが子供らしいと自分で納得していた。

僕は、実は嫌な子供だった。
僕が嫌いな子供のタイプだった。
僕が一番嫌いな子供のタイプは過去の自分だったのだ。
雲を見ながら嫌なことまで思い出してしまった。
途中で止めとけばよかった。

空が少し黄ばみ始めた夕方と呼ぶにはまだ少し早い時間に僕は綾瀬にあるJBスポーツに向かった。
西船橋で武蔵野線で乗り換えて新松戸で千代田線に乗り換え綾瀬に向かう。
西船橋で乗り換えると、駅構内の自動販売機の前に鳩がいた。
どっから入ったのだろう、迷って出口を探している訳ではなく、ただくつろいでいるだけのように見えた。
久し振りに和む日常の光景を見た。

が、新松戸で乗り換えるとまた、電車が遅れている。
また、人身事故だ。
しかも、綾瀬でらしい。
今日、練習前からブルーだ。この日記を見てないのか?
飛び込むなと、あれ程書いただろ?
死ななかったら痛いだけだと書いただろ?
死ねなかったらなおさら、苦しいだけだと書いただろ?
血を人前で流すなんて止めましょう。
僕は流してもいいのだ。
仕事だから。
けど、流したくって流してる訳じゃないのだ。綾瀬に着くとホームには警視庁と書かれた
黄色のテープがホーム半分を張り巡らされていて制服を着た警官達が後ろに手を組みホームに陣取っていた。

駅近くでコーヒー飲んで4時前にJBスポーツで練習した。
JBスポーツはボクシングジムだけど僕は蹴ってもいいのだ。
山田トレーナーとミットをやりたくて僕はJBスポーツに練習に行くのだ。
ミットと云ってもパンチだけではないのだ。
僕はキックボクサーだからキックミットを持ってもらうのだ。
山田トレーナーはうまいのだ。
ミットの持ち方が。
いいセンスしてるのだ。
肘も膝もいいタイミングで持ってくれるのだ。
立嶋篤史のミットを持っているという噂で他のキックボクサーが練習に来りもするのだ。

今日は2時間程練習だった。ロードワークのコースを聞いたので次から練習前に荒川土手を走るのだ。
僕は17年間走ってから練習してきたので、練習前走らないとどうも体が重い。
だから走ってから練習したいのだ。
僕は走ることが好きだし。

今日は練習後、秋葉原に向かうのだ。
先先週買ったターミナルアダプターを交換しに行くのだ。
ISDNだけのアダプターをADSL兼用の機種に交換するのだ。
赤いスタンスミスにN3Bを着た坊主頭をバンダナで隠した立嶋が
これから秋葉原に向かう。
秋葉原ロケットに2週間前に買ったターミナルアダプターを持っていった。
2週間前に買った商品だというのに店は返品交換してくれた。

『本当ならそのようなことはできないのですが』
交換してくれてありがとうロケット。
僕は今後、電気製品は秋葉原ロケットで買うことに決めた。
僕は気に入った店に浮気はしないぜ。
赤いスタンスミスを履いた僕は思った。
12.5ミリの僕は思った。


2002/02/05 20:48
命は命
そういえば昨日、練習に行く時、人身事故で2度電車は遅れていた。
なんだそりゃ。
飛び込めばいいってもんでもないだろう。
想像するだけで痛い。
練習前から疲れた。

最近、人身事故多いと思う。
僕が思うだけなのか。
それとも、僕は何かにとりつかれているのか。
いずれにせよ、人が亡くなるのはいい気分がしない。

今年の夏、20数年振りに金魚とかぶと虫を飼った。
金魚は祭りで、かぶと虫は知人から貰ったのだ。
水槽を買って、虫かごを買って本も買ってきた。
子供の頃、飼い方が間違っていたんじゃないかと思ったのだ。
もう一度、勉強し直してちゃんと飼いたい、そう思ったのだ。
たかが虫と、生き物を馬鹿にして、命を軽く見ていた子供の頃の自分に対するあてつけでもある。
もう一度、今度は大切に飼いたい、そう思ったのだ。

かぶと虫やクワガタにスイカをあげてはダメだということを本で勉強して初めて知った。
下痢をしてしまうからだそうだ。
かぶと虫は1年(一夏)しか生きないのに対し、クワガタは3年は生きるということも、大クワガタなら何と7年も生きるらしいということも本を読んで勉強した。
霧吹きで木を湿らせて水分をあげることや、専用のゼリーがあることも勉強になった。

金魚は水温に始まり、まずカルキを抜く、そりゃ当然、カルキは人間だって臭いから。
その後、バクテリアを入れてあげる。
バクテリアは魚の尿や便から出るアンモニアを食べてくれるらしい。
夜店の金魚すくいの金魚がすぐに死んでしまうのはカルキの入った水道水に大量に詰められているから。
当然、バクテリアがないからそうとう臭いに違いない。
人間でもそうだ。
肥溜めの部屋に閉じ込められ、水分も与えられずに寒すぎ(水温が低い水)たり、サウナのように暑(水温が高い)すぎたりする場所で生活するのと同じだと思う。
子供の僕はいかに残酷なことを平然としていたのだろう。
生き物は色々と人間に教えてくれる。

犬だってそうだ。
犬だって人間同様に性格があるのだ。
一度家に来たら家族なのだ。その家族を簡単に返品(?)する馬鹿飼い主もいる。
病気だろうと家の敷居をまたいだ以上は家族だし、新しい住人なのだ。

ムンクはペットショップで買った時、すでに病気だった。
いくつかハゲていた。
それでも僕はムンクがどうしても欲しくてムンクを買った。
ペットショップの店員は、
『かかった分の治療費は請求して下さい』
数ケ月後、
ペットショップに電話した。
『あの時、買った犬のかかった治療費のことなんですけど』
領収書に書いてある店員の名前を云うと、
『もう、その店員は辞めちゃっていないので・・』
店員は払えないと云った。
『しょうがないから半分だけなら払ってあげてもいいですよ』
そんないわれかたされる筋合いのない僕は、払ってもらわなかった。払ってもらいたくなかったから。

数日後、店の前を通ると、店の入口に入場料の金額の張り紙が貼ってあった。
中には毛の抜けた猿や皮が剥がれたイグアナがカゴに入って売られていた。
間違った飼い主も多い
けど、間違った店も多い。
ムンクはその後アカラスという大病もしたけど、散々病院にも世話になったけど今では元気に、ふてぶてしく走り回っている。
金がいくらかかろうが家族なんだから最後まで面倒みたい。
生き物は皆、頑張って生きている。

今年の夏、金魚が死んだとき、秋にかぷと虫が死んだ時、僕はブルーだった。
やはり一つの命がなくなってしまうということは悲しい。
僕は外に穴掘って墓を作った。
墓標は割り箸だ。
割り箸に金魚や、かぶと虫と書いて両手を合わせた。

命は大切に扱いましょう。
自分の命も大切に扱いましょう。
あとで後悔しても生き返ることはできないのだから。
生きてよかったという死に方ができるよう、みんな頑張ろうぜ。
頑張って前向きに生きようぜ。
ちなみに立嶋は死ぬ時も前のめり。

今日は夕方、雨が降った。
日刊、見事にKO勝ち。
おめでとう日刊。
エルビスの散歩は大変だったけど。


2002/02/05 12:59
日刊スポーツ
今日は休みだ。
いわゆるオフだ。
俗にいうオフだ。

日刊スポーツは今日曇のち雨だと云っている。
外は今、曇っている。
今のとこ日刊優勢だ。
後で雨が降ったら日刊の勝利だ。
今のところ接戦だけど今日は、日刊が勝つような気がする。

僕が子供の頃から母ちゃんは新聞配達をしていた。
僕が子供の頃から母ちゃんは朝日新聞を配達していた。
スポーツ新聞は日刊スポーツを配達していた。
小学生の時から夏休みや冬休みは僕も手伝って配達したことがある。

『金稼ぐのは大変だな』
朝4時に起きて、マンションと一軒家配って日に数百円にしかならない。
それでも毎日毎朝母ちゃんは頑張っていた。
配達が終わって自宅に帰り数時間後、不着(ふちゃく)の電話があると面倒臭い。
配達し忘れた家や、配達したのに『届いてない』と言い張る家(おそらく主人が会社に持って行ったと思われる)から不着の電話があると、再度その家まで新聞を届けに行かなければならないのだ。

『篤史代わりに行ってきて』
自宅のまだ読んでない日刊を持って僕が代わりに行ったりした。
母ちゃんは配達終えると父ちゃん起こして父ちゃんの飯作って、父ちゃんが会社に行ってから洗濯して、
僕らの飯作ってからスーパーの八百屋に行く。
早朝から夜まで母ちゃんは働きっぱなしだった。
帰ってきてから母ちゃんはまた僕らに飯を作る。
働きっぱなしの24年だった。

『篤史の母ちゃんは蟻のようだね』
本当に蟻のように働いていた。
そんな母が配達していた日刊スポーツだ。
朝早く外出して家で読めなくても駅の売店で日刊を買ってしまう。
だから僕はこの先も日刊しか読まない。朝日しか読まない。

今日、夕方雨降れ!
頑張れ、日刊の天気予報!
続きは夜だ。


2002/02/04 18:05
立嶋&中原裕合作ざまぁみろT
某(何がし)がうるさい。
辞めたのにうるさい。
もう、とっくに辞めたのにうるさい。
もう、関係ないのにうるさい。
彼の頭は大丈夫だろうか?

僕がニュージャパンからファイトマネーいくらもらおうと彼には関係ないのに。
僕がどこで練習しようと某には関係ないのに。
細かい陰口が僕の耳元に入ってくる。
某は僕のことを何だと思っているのだろうか。
簡単にいいなりになる選手だと思ったのか。
自分次第でどうにでもなると思っていたのだろうか。
選手なんて殴ることしか能がない能なしとでも思っているのだろうか。
いずれにせよ、もう関係ないのに騒いでいる。
この日記もチェックしているらしい。

僕に、
『やめちまえ』
『お前なんていらないから』
僕を散々罵った某は、ざまぁみろ!を買ってまず、一番最初に第5章の中から自分の名前を探したらしい。
そして、一番に安心したらしい。

僕がただ殴るしか能がないとでも思っているのですか?
確かにそうかもしれませんが、僕には武器は拳や足だけではないんですよ。
もっと自分のために頑張ったらいかがですか?
わからないならもう、何も云うことはないですけど。
選手は自分の脇役だとでも思ってますか?
客を呼んでるのは選手ではないとお思いですか?
それなら自分がリングに上がってみたらどうですか?
どれだけ選手が大変なことを頑張っているのかわかりますから。
選手あっての競技だということがわかりますから。

なんなら僕が相手しましょうか?
それだと僕が客呼んでしまうからだめですね、
僕が呼んだ客を自分が呼んだとあなたは勘違いするでしょうから。
もうちょっと選手を大事にしたらどうですか?
もうちょっと選手に対する言葉を考えたらどうですか?
変わりに自分が試合することできないでしょ?
誰もあなたの醜い体なんて見たくもないのですから。
もうあなたとは関係ないのですからいつまでも人のことでコソコソ云わないで下さい。

そんなに僕のことが嫌いならほっとけばいいのに。
それとも僕のことが好きで好きでしょうがないのかな?
残念ですが僕はゲイではないし、バイ(セクシャル)でもありません。
あしからず。

今日は月曜日だ。
僕の大好きな月曜日だ。
朝、エルビスの散歩の最中に思い出した。
今朝は曇っていた。
昨日の日刊の天気予報は雨のち曇りだった。
しかし、ドアを開けると曇っていた。
今朝の勝負は日刊の判定負けだった。

この匂いは好きだ。
晴れではないけどこの匂いは好きだ。
水溜まりがあちこちにできている雨上がりのこの匂いはたまらなく好きだ。
葉っぱ達はエルビスが小便かけていないのに滴をたくさんつけていた。
昨夜の雨で濡れた電柱の根本は乾きたいのに、そんなこと知ったことではないエルビスは上から小便をかけた。

昼前に練習に出る頃にはもう、一人前の晴れっぷりだった。
頑張れ大陽!僕は君のファンだ。
今日も一日応援しているぞ。
そして、僕は駅売店でお楽しみのあれを買った。
一週間に一度のお楽しみ、ビッグコミックスピリッツを買ったのだ。
お楽しみを読みながら電車に揺られるのがとても楽しい。
もちろん奈緒子を最初に読むのだ。

先日、
『おれがすっぽかしたみたいじゃないか』
中原裕さんからメールが来た。もちろん冗談だ。
どうやら、中原さんもこの日記を読んでいるらしい。
中原さん、早くざまぁみろ!を漫画にして下さい。

『死んじゃうよ』
そんな嘆きが聞こえて来そうだ。
ただでさえ忙しくて僕らが会うのは試合か年末の小学館の謝恩会ぐらいだから。
ざまぁみろ!の表紙も描いてくれて本当に感謝している。

ざまぁみろ!といえば、ざまぁみろ!Tシャツが遂に書店で並んでいる。
ざまぁみろ!一冊買うとTシャツがついてくるのだ。
Tシャツといってもその辺のいかにもおまけの安っぽいTシャツなんかじゃないぞ。
Tシャツとしてだけでも十分金取れるTシャツをおまけでプレゼントしちゃうのだ。
しかも、限定200枚。
ざまぁみろ!の表紙の中原裕さんの立嶋篤史に立嶋デザインのざまぁみろ!ロゴ。
前の首回りもそうなのだ。
僕も欲しいそんなTシャツなのだ。
中原さんも欲しいに違いない。
急がないとなくなるぞ。
ざまぁみろ!もうすぐ完売だ。

『どうせ2.3千部でしょ?』
『どうせ売れてないんでしょ?』
残念でした。初版は8千部です。
ネコパブも気合いが入っているのだ。
頑張れネコパブ!
増版まだか?


2002/02/03 16:16
ペイン杯
昨日、練習帰りにJR船橋駅で尋ねた。
船橋駅改札で駅員に尋ねた。
3日前から気にはなっているものの中々聞くことができなかったのだ。
あのあと、どうなったか知りたかったのだ。
3日前の午前11時の3番線での出来事だ。
東京方面の3番線でのホームでの出来事だ。

『おとといの事故、あの後どうなりましたか?』
『は?』
若い駅員は何でお前なんかにといわんばかりの顔をして云った。

『だからあの後、助かりましたか?』
『あぁ、死にましたよ』
若い駅員は面倒臭そうに云った。
何でそんな不快感を持たす受け答えしかできないのだろうか。

僕はその何も考えてない駅員の受け答えに気分が悪かった。
その若い駅員の一言に、その無神経な一言に僕は2日振りに頭を抱えた。
僕を人の不幸が楽しくてしょうがない腐った大人達と一緒にしたことが許せなかったのだ。
助かっていて欲しかった。
しかしその男、もしくは女は死んでしまったそうだ。

今日は雨だ。
僕の嫌いな雨だ。
しかし、今日は試合前の最後の息抜きなのだ。
ペインでボーリング大会をやったのだ。
雨の中、室内で僕達は熱く燃えたのだ。
今日はペインでチャンピオンを決めるのだ。
今日は5人で争った。
水道橋で熱く燃えた。

僕、高田崇光、高橋祐樹、鉄道員樋口栄一、伊藤雅之の5人で重い玉を転がし楽しんだ。
僕は鉄道員樋口栄一、通称運ちゃんに色々尋ねた。

『HP見ましたよ』
運ちゃんは僕の、この日記を読んで知っていた。
色々と運転手の立場を聞かせてくれた。

『辞めちゃう人も多いですよ、一番最悪なのは・・』
飛び込んで来る瞬間、自殺志願者と目が合ってしまう時だそうだ。
大変だな鉄道員も。
運転していてわかるらしい。
飛び込んで来そうな乗客は運転しながら感覚的にわかるらしい。
飛び込んでも死ぬとは限らないらしい。
足だけ切断したり、手だけなくしたり、

『痛いだけですよ』
その通りだ。
より自分を苦しめるだけだ。
わざわざ電車を止めて、人に迷惑かけて、痛いだけ、辛いだけ、いい事なんて一つもないのだ。
流す血がもったいないぞ。
余分な血は流す必要がないぞ。
それなら献血したほうがよっぽど人の為になり自分の為になる。
自分の命を、自分の人格を、そして自分の存在を大切にしよう。
誰の為でもない自分の為に。
散々殴られてる僕が云うのも変だけど。

今日のペイン杯優勝者は運ちゃんこと樋口栄一だった。
チャンピオンシャツを着たのは運ちゃんだった。
第6回は試合終わった後だ。次回は優勝したい。
しかしスロースターターの僕には3ゲームでは少なすぎるのだ。
いつも5ゲームくらいから力を発揮する僕は3ゲームだとエンジンがかかる前に終わってしまうのだ。
次回から集合場所を直接ボーリング場にして、そこで早くから練習するとしよう。
あだち充さんを1ピン差で負かした僕は、今日運ちゃんに負けた。

ペインボーリング公式ランキングはチャンピオン運ちゃん樋口栄一、1位僕、2位高田崇光、3位高橋祐樹、4位伊藤雅之だ。
ちなみにペイン将棋ランキングはチャンピオン僕、1位タイ高田崇光、宮下陽2位高橋祐樹だ。ちなみに僕はオセロも暫定チャンピオンだ。

かかって来なさい。
試合後に。


2002/02/02 17:31
12ミリな立嶋
今日、天気は晴だ。
水槽の中にいるような青だ。
見上げると、養殖ではない天然の青が広がっている。
なかなかよろしい晴れっぷりだ。
水槽の中で立嶋篤史はピチピチ動き回っている。
『餌くれ、餌』
そんな気分だ。
昨夜、練習後夜中に公園で動いたせいもあって腹が減っているのだ。

今日は朝っぱらから歯医者だった。
稲毛にある東京歯科大病院に行ってきた。
おとといの一件後、石崎先生に電話して今日に予約を入れ替えて貰ったのだ。
もちろん歯の治療だ。
職業柄、必要以上食いしばってしまう為、どうしても歯の治療は必要不可欠なのだ。
治療と云っても色々だ。
マウスピースを作り直す為の型取りだけの時もあれば、少しだけ削る時もある。
一番多いのは、一般の人よりも踏ん張り過ぎるから奥歯の詰め物が取れてしまったり、外れてしまったり、緩くなってしまうことだ。
『普通じゃそんなにしょっちゅう外れないよ』
大学時代アメフトやってた石崎先生は云った。

朝っぱらから面倒臭いけど仕方ないのだ。
自分の為なのだ。
試合がなければ昼や夕方の予約でも問題ないけど、そのために練習に穴開ける訳にはいかないのだ。
自分で好んで朝一にして貰ったのだ。

歯医者は嫌いだ。
あの音が嫌いだ。
あの歯を削る鋭い音が嫌いだ。
そんなわざとらしく聞こえるような大きな音出すことないだろう。
そんな痛そうな音、出すことないだろう。
医者でなく機械にそう思うのだ。

今日もエプロンを付け座って先生を待つ。
東京歯科大の僕が治療する3階補綴科(ほてつ)のフロアは低く小さな仕切りがあって他の患者の治療が見えないようになっている。
立ち上がって見渡すと迷路を上から見ているようだ。

キュイッ、キュイーン。
僕の嫌いな歯を削る音が聞こえる。
甲高く鋭い音が小刻みに、そして不規則に音を途切りフロアに響く。
ところどころで響いている。
まるで工場みたいだ。
何かを作る作業しているみたいだ。
詰め物が取れた僕は新しい詰め物を作って貰う為に今日は型を取って貰う予定だった。

『うぃっす』
10分程待つと、石崎先生はやって来た。
『何でそんなの知りたいの?』
治療器具の名前を尋ねる僕に先生は云った。
『書いてどうすんだよ』
聞いた名前をノートにメモる僕に、先生は冗談ぽくつっ込んだ。

長年の謎が解けた。
キュイーンと鋭い音を立てて歯を削る機械はタービンというのだ。
その先っぽのドリルみたいなのはダイヤモンドポイントというのだ。
ガリガリ激しくそして鈍い音を立て削るのはエンジンという。
先っぽのドリルは根管形成バーという。

『そっそっ』
ちゃんと書けているかノートを除き込みながら先生は相槌を打った。『これは書かなくていいの?』
他の器具を指して先生は云った。
『これはねぇ・・』
コードレスなドリルを差し込むのはマイクロモーター、先の細いドリルはレンツロ、歯形を取るプラスチックの赤い板はパラフィンワックスと云うそうだ。

『そんなの聞いてどうすんだよ』
必要以上に勝手に教えた先生は逆に尋ねた。
子供の頃から自分の歯を治療している機械の名前くらい知っていてもいいと思ったのだ。
あとは、ただ知りたかっただけ。
知っておいても損はないと思ったのだ。
得もないけど。
でも、知ってすっきりした。

昨日夜、僕は7ケ月振りに切った。
昨日の夜、僕は7ケ月振りに髪の毛を切った。
昨夜、僕は坊主にした。

試合まであと1ケ月だからだ。
気持ちを込めたのだ。
気合いを入れたのだ。
面倒臭いからだ。
他のことに一瞬でも気を使いたくないからだ。
とかすのが、ワックス塗るのが、洗うのが面倒臭いのだ。
坊主は洗うのも楽でいい。
朝、寝癖なんてつかないからだ。
ついてしまっても帽子を被ってしまえばいいからだ。
坊主は楽だ。

僕はいつも試合1ケ月前から髪の毛を切らない。
練習した分を切り捨ててしまうような気がするから。
切り忘れた時や1ケ月前までは短く邪魔でなかった髪の毛が伸びて長い髪で試合する時も確かにあるけど。
試合まで切らないのはデビューした時からの癖なのだ。
と言う訳で昨日深夜、公園で練習して帰宅後、シャワーを浴びる前に入れたのだ。

バリカンを。
マイバリカンを。
スキカルを。

4段階の長さを調節できるスキカルだ。
散髪代が浮いていいぞ。
自分でやればタダだから。
5分と時間がかからないのもいい。

本当は3ミリでも5ミリでもいいのだけど、それだと短すぎるし、寒すぎるので止めた。
風邪引くのだあまり短いと。だから僕は12ミリにした。
昨日、僕は12ミリになった。短い男だぜ。
頭が寒い・・・。


2002/02/01 22:02
アリ
今、僕は銀座にいる。
ある用事で今、銀座にいる。
そして、その用事を今さっき終えてラーメンをすすっている。
最後のラーメンをすすっている。

しばらくお別れなのだ。
試合が終わるまでの我慢なのだ。
試合までの1ケ月はいつも禁ラーメン、禁ジャンクフードなのだ。
体重が増えるからいつも1ケ月我慢してるのだ。
今日はその最後のラーメンを食べる日なのだ。
めったに食えないラーメンを食べる日なのだ。
久し振りの解禁日にして早くも明日から禁ラーメンなのだ。

スピリッツの大江さんと別れて、うまそうな面構えした店に入った。
僕は迷わず塩ラーメンを注文した。
一番難しい塩ラーメンを注文した。

塩ラーメンがあるということはそこそこ自信がある、食わせる自信があるに違いないからだ。
塩ラーメンはごまかしがきかないからだ。
塩以外に他にごまかしようがないからだ。
塩ラーメンがある場合、僕は迷わず注文する。
8割りがた失敗するけど。
しかし、僕は残り2割りに賭けたのだ。
いや、賭けたいのだ。

目の前に透明な奴が来た。
透き通った汁の奴が来た。
僕は匂いながら汁をすすった。
熱い。

少しして時間差で、
『まあまあ、うまいじゃないの』
汁も麺もあつあつだった。
最後のラーメンにふさわしい味だった。
汁を全部飲みたかったけど僕は少し我慢した。
体が重くなってしまうから。

今日は、正午に銀座三越前にビッグコミックスピリッツの大江さんと待ち合わせだった。
張り切り過ぎて10分前から三越のライオン前で待っていた。
カップのコーヒーを飲みながら10分後、約束の正午に髭面の大江さんがやって来た。
中原祐さんに電話したけど留守電に切り変わってしまった。
中原祐さんも一緒の予定だったが朝まで原稿を描いていたので寝ているようだった。

今日僕はあれを見に行くのだ。
鮮度抜群のあれを見に行くのだ。
まだ日本で公開されていないあれを見に行くのだ。
5月公開予定のモハメドアリ試写会に行ってきたのだ。

2時間37分の長い映画だ。
主演はメン・イン・ブラックやインデペンス・デイのウィル・スミス。
監督はロバート・デニーロとアル・パチーノ共演のヒートやアル・パチーノ主演のインサイダーを撮ったマイケル・マン。

僕らは開始40分前の12時5分に試写会の会場である日本ヘラルドの試写室に着いてしまった。
早い分には僕は全然オッケーだ。
気持ちにゆとりが持てるから。

その間、僕は2回小便した。
2時間37分も我慢できっこないからた。
2時間37分も我慢と戦い切る尿道を持っていないからだ。
出なくても、したくなくても便器の前で踏ん張り絞り出した。
途中で立つことなく最後まで見届けないと映画に失礼だから。
ちゃんと最初から最後まで見ないと、おもしろいとかおもしろくないとか云ってはいけないと思ったから。
感想すら云ってはいけない気がしたから。

予定通り12時45分に映画が始まった。
内容は・・・内緒だ。
感想は・・・これも内緒だ。
云ったらおもしろくないと思うから。
ただ少し僕の感想を云うと、見る価値多いにありだ。
まるでドキュメントを見ているようだった。
こんなボクシング映画が見たかった。
やるじゃねぇかウィル・スミス。
やるじゃねぇかマイケル・マン。そんな感じだ。
僕のそれまでのボクシング映画の不満を吹き飛ばしてくれた、そんな映画だ。

カメラワーク、音使いなどそれまでのボクシング映画を見ていて、
『そうじゃねぇのになぁ』と、思っていた部分を一気に解消してくれた。
凄くいい。
試合してる時の視界、聴覚は確かにこうなるから。
それまでの客から見た、想像した選手の視界なんかではないのだ。

それに、本物のボクサーを使っているところもいい。
相手役も本物のボクサーを使っているからだけでなく、本物に似たボクサーを使っている。
ジョー・フレージャーやジョージ・フォアマンなど顔や雰囲気だけでなく戦い方やまでそっくりだ。

それに、なんといってもウィル・スミスが20キロも増やしてこの役に挑んだのにはそうとうな気合いが感じられた。
上手にアリのヘビー級の体を作っていた。
そうとう練習して、成り切ったに違いない。
しゃべり方までそっくりだからだ。
息継ぎをしないで独特のリズムでしゃべりまくる昔のアリにそっくりだ。
口の形や微妙な仕種まで似せている。

ありがちなよく見るB級のタイトルだけの、実在する有名人の名前だけで客を呼ぼうとするチンケな映画とは違うぞ。
まぁ必見だ。
僕が思うにウィル・スミス は撮影後もプライベートでこのしゃべり方が直らなかったに違いない。それ程染み付いた演技だった。
その場面を想像するとちょっとおかしい。

ちょっとのつもりが大分書いてしまった。
これを読んで見たくなっても5月まで辛抱なのだ。
それまでは見れないのだ。 僕はもう一回見るけどね。
中原祐さんともう一回見るのだ。
中原さんがもし仕事で疲れて寝てたら一人でも見るのだ。
スピリッツの大江さん、松竹の佐藤礼子さんどうもありがとうございます。
いい映画を見せてくれてありがとうございます。
昨日、字幕ができたばっかの、まだ湯気が出てる映画を一番最初に見せてくれてありがとうございます。

映画関係者以外で僕は日本で最初に見たのだ。
佐藤さん、また新しい映画を見せて下さい。
いや、本当にいい気分だった。
夕方からのロードワークにも力が入ったぞ。筋トレにも力が入ったぞ。

最後に一言、熊本のよしだしんり君メールありがとう。
そんな、ハンディなんかに負けるな。
それで入社に難色を示すような会社、
こっちから断ってしまえ。
自信を持て。
人を外見でどうのこうの云う会社なんてケツの穴の小さい会社になんて頼んでまで入る必要はないのだ。
自信を持って頑張れ。
立嶋は応援してるぞ。

他にもいろいろたくさんメールありがとう。
ざまぁみろ!読んだ人から最近、感想や応援のメールが多く嬉しいぞ。
みんなも頑張れ!

もちろん僕は云われなくてもすでに頑張っている。


2002/01/31 16:54
!?
初めて出くわした。
見たくなかった。
出くわしたくなかった。

僕は今船橋駅ホームにいる。
今日はこれから稲毛にある東京歯科大病院に行くとこだった。
しかし、やめた。
そんな気分じゃないのだ。 とてもじゃないがそんな気分になれないのだ。

何気ないいい天気だった。
今日はただのいい天気だった。
何てことのないいい天気だった。
僕はチャリンコで寒く冷たい風を切って駅に向かった。

チャリンコを止めて、210円の切符を買い、改札を抜けて駅階段を駆け足で上った。
びっくりした。
電車が急に止まったのだ。

3番線の東京方面逗子行きが発車しかけて急に止まったのだ。
扉が閉まったまま、電車は止まっている。
朝のラッシュ程ではないが乗客はそれなりに多く乗っていた。
乗客達は、扉のガラスごしに、窓ごしにホームを電車の中から覗きこんでいる。

嫌な予感がした。
数名の野次馬が止まった電車とホームの隙間を覗き込んでいる。
何気ないいい天気の中そこだけが慌ただしかった。

口を押さえる女性。
目を赤くしている女性。
右に左に走る駅員達。
消防のような作業着をきた人達が右から左から走ってきて、また走って行った。
何ごとが起こったのかみんな気になっているようだった。

初めて出くわした。
僕の嫌な予感は的中した。

人身事故だった。
どうやら僕の目の前のホーム下に人がいるらしい。
野次馬がしきりに覗き込んで実況していた。
自分は勇気があるんだと、自慢気に誇らしげに先頭切って、覗き込んで聞きたくもない状況を、わざわざみんなに聞こえるようなご丁寧に大きな声で報告していた。

『こりゃ死んでるよ』
白髪の中年が嬉しそうに云った。半笑いだった。
ちょっとおかしな光景に頭が痛くなり、気持ち悪くなった。

『死んでるの?生きてるの?』
覗き込みながら中年の女は云った。

どっちだっていいだろう、あんたは関係ないんだから。何にもできないんだから。
僕は頭の悪い大人達を見て吐き気がした。

何で役にたてない人間がそこにたむろしているのか、自分達が邪魔してるのがわかっていないようだった。
中途半端に安否を気づかって自分を善人だと思いたいのか、ただ人の不幸が楽しいのか、それとも人の不幸を見て安心したいだけなのか、どちらにしろ電車に人が巻き込まれている姿を見て白い歯を見せたその白髪のオヤジの顔は醜さ極まりなかった。

『浮浪者だってさ』
誰かが云った。
浮浪者だったら巻き込まれ
てもいいのか?
浮浪者だから笑ったのか?

『動いた』
関係ない、その場に必要ないオヤジが云った。
僕は我慢できなくなり、階段を下りた。
一駅も乗らないで僕は210円の切符を駅員に渡し駅を出た。
僕は歯科大病院の石崎先生に電話した。
そして、今日の予約をキャンセルした。
今日僕は、まだ午前中だというのに何もやる気がなくなった。

異常な光景だった。
自分が違う世界にいるようだった。
ああいう大人が自分のことを棚に上げて今どきの若者と先頭切って云っているのだろう。
平気で電車の中でタバコを吸う今時の若者もどうかと思うが
あんな今時の大人には死んでもなりたくない。

今日、僕はまともじゃない世界を見た。
あの時の嫌な気分が今だに胸の当たりでくすぶっている。
夢に出てきそうだ。


2002/01/ 30 21:26
ソリティア
今日は晴だった。
今日は曇りだった。
今日は晴れのような曇りだった。
そして曇りのような晴れだった。
どっちつかずの天気だった。

『ないぞ。おやつは』
太陽は半分だけ顔を出していた。
『ムンクみたいだな』
おやつが欲しい時、襖から顔を半分出してこちらを覗き込んでよくアピールする。
『鼻垂れてるよ』
顔を半分出したムンクは首をかしげている。
ムンクはよく首を傾げる。
パグはよく首を傾げる。
大きい目がこぼれ落ちそうな程に。
首がもげそうな程に。
何度でも首を傾げる。
笑ってしまう程傾げる。
おそらく犬界一首を傾げる犬だと思う。

『鼻垂らすなよ』
顔半分出した太陽に向かって云った。
僕とエルビスは傘を持ってなかったから。
雨をたらされたらたまらないからだ。
そんな今日の朝と云うには遅い時間の出来事だった。

今日は夕方までパソコンをいじっていた。
何だ。何だというのだ。
わけわかんないぞ。
インストールって何だ!?
何味だ。その某は。
うまいのか、まずいのか。

スキャナー付ける作業中、また僕はソリティアに走った。
飽きない。
何時間でも飽きない。
ソリティアは。

子供の頃、
『占い』
と、母ちゃんはソリティアをやっていた。
おそらくソリティアのソの字も知らないであろう母ちゃんは、どこでその存在を知ったのかルールだけは知っていた。
子供の頃、朝起きるとストーブの前で正座してソリティアを何回も真剣にやっている母ちゃんがいた。
夕方サッカーの練習を終えて帰ると台所前のストーブでやはり母ちゃんはソリティアに夢中になっていた。 僕も小学生の頃からルールだけは知っていた。
『何?それ』
学校で同級生は馬鹿にして云った。
『占い』
名前の知らない僕は母ちゃんがいった通りの名前を云った。
『知らなーい』
自信を持って拒絶されて僕は恥ずかしくなった。
今思うと、ちっとも恥ずかしいことなんてないのだけど。

そんな僕の思い出が詰まったソリティアだ。
なかなかうまくいかないのがおもしろい。
あと一回があとを引く。
今日もまたソリティアに熱く燃えた。
いい加減にというくらい飽きない。
目が悪くならないよう、サングラスをかけて、今日もまた飯を食ってからソリティアに燃えるのだ。

2002/01/29 22:18
立嶋な午後
本日ものんびりと、まったりと休日らしい一日を過ごした。
立嶋らしい休日を過ごした。

夕方までブラブラして今、某ファーストフードでコーヒー飲んで考えている。
色々なことに。
今後のことに。

夕方は相変わらずの景色を僕に見せてくれた。
太陽は相変わらずの夕方っぷりを僕に見せてくれた。
頑張りすぎて少々スタミナの切れた景色を僕に見せてくれた。
帰りがけに今日一日の余韻を残しているかのように。
長く伸びた影も、遠くから聞こえる電車の音も、後ろから追い越して小さくなっていく音と電車の姿もどこか今日が終わるのを寂しがっているようだ。

僕も寂しい。
休みが終わってしまうことが。
せっかくの休みが終わってしまうことが。
一週間に一日の休みが終わってしまうことが寂しい。
どこか寂しい。

昨日から身の回りがバタバタしっぱなしだ。
相変わらず溜め息の出ることも多いけど、いいことの方でも忙しかった。
僕の携帯は昨日今日、汗かきっぱなしだ。

書けないことの方が多いけど、書けることでいいこととを教えると、3月3日の試合の相手が正式に決まったのだ。
あと、モハメドアリの映画の試写会に行くことが決まったのだ。

本当はもっとでかいニュースを隠し持っているのだ。
それは隠し球なのだ。
戦術なのだ。
駆け引きなのだ。
だから、まだ内緒なのだ。

凄く馬鹿馬鹿しい、ムカついたこともまだ内緒だ。
ムカついたことは爆発寸前だ。
しかし、そこは我慢強い立嶋篤史。まだぐっとこらえている最中なのだ。
ま、いつか立嶋火山が爆発するかもしれない。
基本的に活火山だから。
決して休火山ではなく少し休んでいるだけだから立嶋山は。

僕自身、本当はムカついたことは、つまらないから書きたくないのだ。
『止めましょ、向うが得するだけだから』
そう云ってくれても、仕方がないのだ。わかっているのだ。
無視したかったのだ。できるなら僕だって。
あまりにも罪の意識なしに平然と迷惑をかけられたものだからたまらなかったのだ。
罪の意識があってやっているならもう、救いようがない世界だ。
たまらないのだ今だって。
だから書いたのだ。
基本的に無視するし、これからも無視するけど。

どの道、今はだまっているのだ。
どの道、手が足りないのだ。つまらないことなんてほっておかないと手が足りないのだ。
それでなくてもいいことの方が日に日に増えているしこれからも増えるだろうから。

とりあえず、気合いを入れる為に今晩、何食おう。
とりあえず、豚ピーだな。
うまいぞ豚ピーは。
立嶋の思い出が詰まっているから。


2002/01/29 13:24
立嶋な休日
何だ!?
一瞬、何ごとかと思った。
僕の瞼が強烈に痛かった。
強烈に眩しくなった。
眩しかった。
目を閉じているのに瞼の中の視界は赤い。

『あぁっ!』
ドアを開けた瞬間、僕は閉じた目にさらに右手を隠した。
眩しく燃えているのだ。
本日も。奴は。

『結構!』
新聞を取りに玄関を開けると今日も奴は燃えたぎっていた。

『ほどほどにな』
不器用に頑張りすぎる太陽に云った。

がんばれ太陽。
頑張って今日一日、立嶋の休日を照らしてくれ。
ついでに60歳初日の立嶋忠雄を照らしてくれ。

今日は休みだ。
さて何しよう?


2002/01/28 22:28
祝、還暦!
今日は晴れ。
昨日も晴れだけど、今日も晴れ。
僕の大好きな晴れ。
同じ晴れだけど昨日の晴れと、今日の晴れは顔が違う。
昨日の晴れは昨日の晴れ、今日の晴れは今日の晴れ。
過去と今の違いは大きい。
思い出より今が大事なのだ。

今日は僕の好きな晴れで、僕の好きな月曜日だ。
子供の頃は嫌で嫌で仕方なかった、そんな月曜日。
とても憂鬱だった月曜日。
一週間始まるのが憂鬱だった月曜日。
一週間学校に行くのが嫌だった月曜日。
不思議と一日が長く感じた月曜日。
しかし、今の僕は大好きな月曜日。
なぜなら、スピリッツの発売日だから。
僕の愛読書ビッグコミックスピリッツの発売日なのだ。
朝っぱらから早く読みたくて待ち遠しいそんな月曜の朝の散歩だった。

エルビスと天然の青い空を見ながら歩いていると、
『かわいいねぇ、ブルドック』
浮浪者っぽい親父がゴミを物色ついでに云った。
『違いますよ』
僕が返すと、
『そ、ボクサーだったか』
それも違うので、
『パグですよ』
『そっか、パグか。うんうん・・』
小刻みにうなずきながら親父はチャリンコで追い越して行った。

今日、僕はJBで練習だった。
先程書いた毎週月曜日のお楽しみを読みながら綾瀬に向かった。
僕が、スピリッツで毎週必ず一番最初に読むのが奈緒子なのだ。
ざまぁみろ!の表紙を書いてくれた中原裕さんが書いている奈緒子を毎週欠かさず読んでいるのだ。
一番最初に。
それを楽しみに毎週月曜日を待っている。
当然他にも好きなマンガがあるから愛読してるのだけど。

今、JBで練習を終えて上野にいる。
なぜ上野?
また親子丼か?
違うのだ。今日は僕よりちょうど30歳年上の立嶋忠雄の誕生日なのだ。
30年前、僕が生まれた時マージャンを頑張っていた我が父、立嶋忠雄の誕生日なのだ。
60回目の誕生日なのだ。
還暦なのだ。
還暦のお祝いをしたいのだ。

それで今、残業が終わるのを上野で待っているのだ。
帰りの新幹線に乗りやすいよう、上野駅前で待機しているのだ。
僕の方が一足早く還暦(60戦)を迎えたけど、還暦では僕のほうが先輩だけど、親父は僕の人生の先輩なのだ。

『嫌なとこまで似なくていいのに』
母ちゃん曰く、喜怒哀楽まで似ているらしい。それも嫌な喜怒哀楽について似ているらしい。
残業を終えて9時に父ちゃんは上野丸井前にやってきた。
今日は親父とデートなのだ。

新幹線の時間があるから僕達は駅近場の回転寿司に入った。
全品100円のまあまあうまい回転寿司だ。
9時過ぎると駅近くではどの店も閉まっていて、一番近くで一番まともな店といったらそこになったのだ。
海で育った男が山奥に引っ込んで、さぞかし魚が食いたいに違いないとも思ったのだ。

久し振りの生魚を父ちゃんはうまそうにパクついた。
もっといいもんごちそうしたかったけど、時間を考えるとどうしても仕方ないのだ。
それに、本日のメインはそれではないからだ。
回転寿司は前座なのだ。
僕が父ちゃんを呼んだのは、誕生日に付き物のあれを渡したかったのだ。
60歳を記念してあれをあげたかったのだ。

還暦を祝って、
『そろそろ新しい時計買おうかなぁ』
そう、以前からこぼしていた父ちゃんに時計をプレゼントしたかったのだ。
するつもりで呼んだのだ。
寿司屋で僕は父ちゃんに

『還暦おめでとう』

ウエイトレスは下を向いて笑った。
大きなお世話だ。
回転寿司だろうが、還暦おめでとうなのだ。

『電車の中で見るよ』
予想通りに父ちゃんは照れ臭そうに云った。
目の前で開けられたって、どうしていいかわからないし、その答えは僕にも正解だった。

今頃、開けているだろう。
いったいどんな顔して開けたのだろう。
父ちゃんの左腕に輝く新品の腕時計を早く見たいものだ。

僕なりに無理して買ったのだ。
それは僕の己の力で稼ぎ出した、原稿料で買ったのだ。
ロレックスには届かなかったけど。
けど、近い将来、必ず買ってあげたい。

今日僕はロレックス並にかっこいいオメガをプレゼントした。
還暦の祝いにしては寂しいと思ったけど、気持ちはバリバリ入っている。

僕はあと30年
頑張らないと60歳にならないのだ。
60戦は迎えたけど。
とりあえず、あと30年頑張れ自分。
その時まで現役で。
60歳まで現役で。
なんなら80歳まで現役で。


2002/01/27 22:05
青春
だるい。
ここんとこ、どうもだるい。
熱っぽい。微熱が続いている。

今、17時を回ったところだ。これから春日部にあるリキジムに向かうのだ。
当然練習で向かっているのだ。

朝っぱらから降っていた雨はやんで、空はオレンジがにじんでいる。
たんこぶのような帰り損ねた雨雲達は手当のない残業をしている。
少し暗くなりはじめてオレンジ色は紫がかっている。
僕の好きな一日に数分しかない微妙な時間だ。
希少価値のある時間だ。
昔は嫌いな時間だったけど。

子供の頃、寂しくて夕方は嫌いだった。
切なくて嫌いだった。
味方が誰もいなくなってしまう気がして嫌いだった。 一人残されてしまう気がして嫌いだった。
もうすぐ夜になるのが嫌いだった。
今は好きだけど。

その寂しさが好きだけど。
子供の頃から覚えている記憶といったら夕方の記憶がダントツに多いのだ。
本当は子供の頃、夕方が好きだったのか?
好きな子につい意地悪をしてしまうそれなのか?
僕は夕方を心の中では好きだったくせに、つい嫌いと、、意地悪を云ったのか?
それとも好きなフリをして今だに嫌いなのか?
大人のフリして好きなフリをしてるだけなのか?
『ビールはこの苦みがうまい』
味もわからないくせに大人のフリして背伸びしているだけなのか?

夕方の味をわかる大人のフリをしているだけなのかもしれない。
本当はどっちだ?

そんなこと書いているうちに外は真っ暗になってしまった。
しかも、もう春日部市に入ってしまった。
何はともあれ、これから練習なのだ。
微熱の僕はこれから練習なのだ。
あぁ首が熱い。

今、僕は誰もいないホームにいる。
あいかわらずこの駅を利用する人は少ない。
僕以外には反対側のホームに駅員と無賃乗車しようとした首輪のない白い犬がいるだけだ。

駅員は犬に、
『おい、こら』
困りながら犬に注意していた。
僕は声を出して笑った。
決して駅員を馬鹿にしたのではない。
微笑ましかったのだ、その光景が。
なんかいい。そう思った。
便所は臭いけど。

今時汲み取り式はないだろう。
おちおちうんこもできねぇぜ。
おつりが帰って来るからだ。
『おっと釣りはいらねぇぜ』
しかし、奴は律儀に返してくるのだ。

今日は寒かった。
僕が熱あるからか?
いや、そんなことはないはずだ。チャリンコを漕ぐ手が痛いから。
手袋をしないでロードワークした手が痛かったから。

今日のロードワークのBGMはハイロウズの青春だった。
青春といえば、今が僕の青春だ。
僕はもう、17年青春をしている。僕の青春も18年目に突入した。

みんな青春してますか?
いいぞ、青春は。
死ぬまで青春続けたいものだ。
一生懸命怒り、泣き、悔しがり、そして笑いたいものだ。

今、青春してる受験生頑張ってるか?
もうすぐ試験だ。
自分自身の為にがんばれ。
親の為でなく自分の為に
頑張れ。
自分の為に頑張る受験生に僕から一言、
がんばれ!
受験生じゃなくても自分の為に頑張っている奴らにも一言、
がんばれ!
僕も自分の為に頑張っている。

それにしても寒い。
そして痛い。鼻が痛い。
痛い。頭も痛い。
冷たい空気を鼻から吸って刺さるように頭が痛い。
練習が終わって僕の熱は下がったようだ。

どうやらここ最近、つまらないことが多くてイライラしてたのと、馬鹿に腹立てていたのと、新しい団体のリングに上って挨拶しなければならなかったのでストレスがたまっていたらしい。
昨日の挨拶はストレスじゃないけど。
自分の試合以外でリングに上るのがどうも苦手な僕は柄にもなく緊張していたらしい。
緊張の意味が俗に云う緊張と少し違うけど。
そのせいで柄にもなく熱を出していたらしい。
けど、練習が終わって、挨拶も終わって今、体も気持ちもすっきりしている。

帰りの電車でこうして日記を書くのも僕の青春だ。
そして、明日もあさっても僕の青春だ。
その前に今日の青春の晩飯は何食おう。
とりあえず何か食いたい。 あぁ腹減った。


2002/01/26 23:00

今日僕はニュージャパンのリングに上がった。
正確にはこれから上るのだけど。

今、15時53分ドームホテルの一階にある喫茶店でこの日記を書いている。
これから格闘技通信の取材の為、ライターの布施さんと会うのだ。
今、今後のことを色々と考えながらコーヒーを飲みながら布施さんを待っている。

2時半に錦糸町の事務所に挨拶に行った。
事務所の場所がわからない僕に連盟は途中まで迎えをよこした。
歩いていると前方から延藤広報がやって来た。

延藤広報は右手を出した。
僕は延藤直樹と握手した。

今から7年前、お互い選手だった。
僕達がリングで殴りあったのはもう7年も前だ。
もう7年も前のことだ。
もう7年も前になってしまった。

『久し振り』
僕は初めて延藤直樹と口をきいた。
前回会ったのはリングの上だったけど。
前回は口も聞かずただ殴り合っただけだけど。

その『久し振り』が何かおかしくて僕は思わず笑った。
けど、僕も何て言っていいのかわからずに
『お久し振りです』

事務所に行きジム会長達に挨拶をすまして、夕方取材を受けて僕は会場入りした。
3回戦が終わり5回戦3試合目が終わってから僕はリングに上がった。

『何(挨拶)言うか考えてあるの?』
取材の時、布施さんは言った。
『何も考えてないす』
何も考えてない僕はリングに上がってから
『考えたほうがいいよ』
そのあとの布施さんの言葉を思い出した。

何も考えてない僕はリング上でブーツを脱いだ。
そして靴下も脱いだ。
僕は裸足になった。
裸足がキックボクサーの作業着(?)だから。
本当は裸になりたかったくらいだ。

一度ライトを見上げて、
『引っ越しして帰って来ました3月に会いましょう』
客席に向かって言った。
僕は団体を引っ越ししてリングに帰って来た。
本当は
『ただいま』
リングにそう言いたかったけど、
言いかけて止めた。

本当な言いたいことを含めてそれはデビュー戦の後に言えばいいことだと思ったから。

そう僕は18年目にして、63戦目にしてデビュー戦を迎えようとしている。
2度目のデビュー戦を迎えようとしている。
ファイトマネーはまた頑張って上げていけばいい。
デビュー戦と同じ金額でいい。
デビュー戦なのだから。

次の試合全日本は3回戦のオファーを出した。
3回戦が嫌だから全日本を辞めたのではない。
その証拠にもう一度3回戦からやりたい。
3回戦からでもリングに帰りたいという僕の言葉に嘘はない。

30歳にして、18年目にして、63戦目にして僕はデビュー戦を目指している。
2度目のデビュー戦を目指している。
デビュー戦を2回もやる奴は立嶋くらいのもんだろう。

頑張れ、自分。


2002/01/25 18:34
主婦キックボクサー
昨日からご機嫌斜めだ。
晴れていようがご機嫌斜めだ。

馬鹿なキックボクサーが昔から多い。
頭の足りないキックボクサーが多い。
他人の私生活、収入が大好きな馬鹿が多い。

馬鹿だからそんな人の噂をおかずに毎日飯を食っている。
とてもまずい生活だが、彼らはそれを生きがいのように今日もまたよその選手の悪口で生きている。
のうのうと生きている。
そして、言いふらす。

横の広がりが異常に早いこの世界では常にいろんな噂が飛び交っている。
くだらない、どうでもいいことに目を輝かして、それをまた今晩のおかずにするかのようにとても腹が減って残飯をあさるカラスのように一生懸命だ。

元キックボクサーの○や、現役の△は頭悪いなと、つくづく思う。
よそで言うならまだしも、人の行動範囲に勝手に土足で入ってくんじゃねぇ。
その馬鹿は土足で入ってきてよからぬ噂(自作)を言いふらして帰っていく。
話題欲しさに人の名前を勝手に出すんじゃない。

まぁ所詮自分がない、プライドもない、信念もない選手(だった)だから仕方ないのか。
かわいそうな頭を持って同情します。

僕は友達がいない。
あくまでキックボクサーにおいて。
そんな人間を友達に欲しいとも思わない。

まるで主婦だな。
ワイドショー見てテレビに文句言ってる主婦だな。
全く他人(芸能人)のスキャンダルに腹立てている主婦だな。
そんな主婦キックボクサーの友達はいらない。

いつか引退してこの世界に残るつもりもないし。
それは、選手でいれないならこの世界にいる意味がないというのもあるけど。
寄生されて、僕がそれら歪んだ人間になりたくないから残りたくないのだ。

辞めたら皿洗いでも、土木作業員でもやりたい。
そっちの方がきっとやりがいがあるに違いない。

中にはちゃんとした(?)選手もいるだろうけど。
いることを信じたい。

2002/01/24 20:48
晴れたはいいが
やばい、目が合ってしまった。
奴と目が合ってしまった。

奴は燃えている。
奴とは、燃えるしか能がない、燃えることでしか自分を表現できない不器用な太陽のことだ。

しかし、燃えることしかできなくとも十分過ぎるほどその役割を果たしている。 奴はいつ燃えつきるのだ? 今日も自分の仕事をしっかりこなしてくれている。

『ごくろう』
頑張って今日も一日照らしておくれ。
しかし、まだ下は寒い。
空は晴れだが下の空気は冷たい。
『もっと光れ』

エルビスと僕は今日も軽量級と重量級のフットワークだ。今日は紐なしのスニーカーだから昨日程重くはないけど。

晴れはいい。日向はいい。
朝は寒かったけど。
晴れたはいいけど今日は機嫌が悪い。

練習をつまらない用事でできなかったから。
おいおい、ふざけんなよ、そんな気分だ。
だから今だに怒りが収まらない。
ちくしょう。腹が立つ。

こうなったら、うまいもん食って寝てやる。
油餅とバター餅食ってやる。そういえばこの間から食いたがっていた酢豚、まだ食ってない。
あぁ酢豚が食いたい。


2002/01/23 19:48
一年中食いたい
冬と云えば餅。

子供の頃、嫌いだと云う子供は僕の周りにいなかった。僕は正月が楽しみだった。
餅が食えるから。
正月じゃなくても食えるから正月に限らず冬と云った方が正しいのだろうけど。
今は体重が落ちなくて嫌いな冬も、子供の頃は好きだった。

餅、食ってますか?
餅はうまい。
色んな顔を持っている。
王道、磯部焼き。
基本中の基本、砂糖醤油。
日本人の心、納豆餅。
子供の頃、どうして大人がうまいと云うのかがわからなかった、辛いがうまいからみ餅。
枝豆をからめるずんだ餅。
まず餅を焼いて、お湯を張った丼の中に入れる。
その後、お湯でふやけた餅を別の丼の中に用意しておいたきなこをからめて食べるのが好きだった、あべかわ餅。
母ちゃんのお得意、油餅。

母ちゃんの油餅、食いてぇなぁ。
焼いた餅を油張ったフライパンで炒めて醤油で味付けをするだけなのだけど、これがうまいのだ。
なかなか難しいのだ。
タイミング次第で餅が揚ってしまうから。
油餅は、油をからめる感じがいいのだ。

最近こってるのはバター餅。
焼いた餅にバターをくるんで海苔を巻き醤油をつけて食う。
これはうまい。
食いすぎて体脂肪2%上げてしまったこともある程、うまい。
バター餅をあみだす切っ掛けはバター御飯だ。
あつあつ御飯に箸で穴、空けてバターを一度、非難させる。
隠れたバターがにじみ出る頃、醤油を少し垂らしてから食う。もう、止まらない程うまい。

餅はうまい。
冬じゃなくてもうまい。
夏でも食いたい。
僕は一年中、餅が食いたい。いつでも餅が食べたい僕は、実家から送って来た餅を冷凍で保存してある。
昨日夜中、腹が減ってしまった僕はお汁粉と砂糖醤油餅を食べた。
お汁粉は当然、餅2ケ入りだ。

今日は晴だった。
晴れはいい。エルビスも落ち着いてうんこできる。
寝起きの僕は、エル散歩しながらつくづく晴れはいいなぁと思いながらのんびりとエルビスと歩いた。
エルビスは軽快なステップで、僕は重量感たっぷりに紐を結んでいないスニーカーを引きずるように歩いた。

途中、民家の家並の作った日景達数十メートルを通る。
日景から見る太陽は今日も頑張って輝いている。
目を合わせられないくらいに一生懸命光っていた。
びっくりした。
光りの中から一台の車が日景の中に飛び込んで来た。
あまりにも力んで輝く太陽の反射で光りながら向かって来る車が影に入ると同時に姿を現したのだ。

今日は二時から綾瀬のJBスポーツで練習だった。
ふくらはぎの筋肉痛が残っているから蹴り上げる時軸足のふくらはぎが、

『おぉーっ』

痛い。
それと、臑脇の筋肉も張ったように痛い。

選手で良かった。
現役で良かった。
キックボクサーで良かった。
そんな痛みだ。
辞めたら味わいたくても味あえない、そんな痛みだ。

いいね、現役は。
それに、現役は飯がうまい。。
おいしく食べれる。
水(水道水じゃないよ)もうまい。
そして、腹一杯食える。

現役の僕は今晩何食おう?
何をおいしく、腹一杯食おう?
とりあえず夜食は餅だな。


2002/01/22 18:16
第2弾 痛い
痛い。微妙に痛い。
筋肉痛だ。

このところ久しく、懐かしい筋肉痛と疲れが僕の筋肉に残っている。
今日は昼まで寝て海にぶらっと行って来た。

夕方の海はいい。どこか寂しくていい。
東京湾はヘドロのように汚いけど、海というだけで十分役割を果たしてくれている。

海の手前には船着き場があって、その船橋の船着き場には当然、船がたくさん止まっている。
止まっているというより、浮かんでいる。

波もなく水面はおとなしい。
近くのマンションや家が水面に写っていた。
オレンジ色に写った景色は右に左に小刻みに揺れていた。
そんな景色を眺めて筋肉痛を癒しながらボーっとしていた。

そんな僕の休日だった。

しかし、まだ休日は終わっちゃいないのだ。
さてこれからどうしよう。
コーヒー飲みながら原稿を少し書いて、たまった本を読んで、夜映画でも見よう。その前に晩飯何食おう?


2002/01/22 11:16
今日は休み
今日はオフだ。

火曜日は休みにしている。 JBスポーツもリキジムも火曜日が休みだ。
だから火曜日が休みなのだ。
平日休みはいい。どこ行っても空いているから。

人ゴミ嫌い、子供嫌いの僕には丁度いい。
子供嫌いというよりは、馬鹿な親も嫌いだから正確には馬鹿親子が嫌いなのだ。

電車で靴を脱がさない、隣の人に迷惑をかけても我関せずの馬鹿な親がいる。
今だにいるのだ。
子供が迷惑かけても親は義務的に誤るだけでその時、クソガキはあっちを向いている。
所詮、馬鹿だから感情のこもっていない棒読みだ。
エキストラにもなれやしない、そんな棒読みだ。
人に迷惑かけても、子供に直接謝ることを教えない。
そんな馬鹿親子に会わなくていい、会いずらい平日はいい。

映画も落ち着いて見れる。
たまに馬鹿なうるさい、そして無神経な迷惑三冠王の主婦軍団に出くわすけど。

平日は平和だ。
字幕を声に出して読んだり、見のがした字幕を尋ねたり関係ない話しまで大きな声で話す馬鹿な高校生カップル、バカップルに出くわさないで済むのだ。

いいぞ平日は。土、日は家にいた方がいい。土、日僕は、練習以外ほとんど出歩かない。

さて、今日は何をしよう。


2002/01/21 18:19
今日は朝から雨だ。
僕の嫌いな雨だ。
傘をささなくてはいけない雨だ。

雨を認めたくない僕は、傘をささずにチャリンコを漕いで駅を目指した。
雨の日の何を言いたいのか分からない濁った空が僕は嫌いだ。
僕の日常の背景達まで暗くなる雨雲が嫌いだ。
それぞれが主役の背景達のさらに背景がはっきりしない色で納得がいかない。
小学生十人中、九人が白と黒を混ぜた灰色を描くであろうそんな灰色だ。
若干一名は僕のようなひねくれた子供がいるに違いないからだ。
それに青を混ぜたがる子供もいるだろうからだ。

普段、枯れ葉ががたまっているドブも水がたまってちゃんと自分の仕事をしていた。
水溜まりはところどころ跳ねてあめんぼうがたくさんいるみたいだ。

シャーッ!

遠くで車が水溜まりを跳ねる音がした。
僕はサングラスに雨の滴をつけながら、その隙間から前方を見ながら駅を目指した。
駅に着く頃には、僕の愛用のL2Bは雨で濡れた場所だけ色が濃くなっていた。

今日は綾瀬のJBスポーツで練習だった。
どんな練習だったかなんて想像におまかせする。

まだ軽い練習だし。
まだ基礎ばっかだし。
まだおもしろいこと何もしていない。
つまらない基礎ばっかりだ。

でも僕にとってはそれが大事であり、一日の中での重要なテーマだ。
つまらない基礎ができるとその日、一日勝った気分になれる。
今、その勝った日を多くするため頑張っている。
それに自信もつく。

今日は嫌いなコーナーでの膝上げをやった。
僕の嫌いなつまらない基礎の一つだ。
でも、強くなるということは、つまらない練習の積み重ねだと思う。
だからこれからも毎日積み重ねなければならないのだ。
つまらない基礎だけど、走るのは好きなのだ。

今日は雨で走れなかったけど。
明日は晴やがれ!


2002/01/20 20:51
なんか食わせろー♪
『そんなに急がなくても逃げないから』

じは早足で道を歩く。

『こっちですか?』
途中分岐点に当たる度、どっちに行くのかを確認しながらもくもくとただ、足を動かした。

よっぽど食いたかったんだな、僕の自慢の親子丼が。
店に着くと、僕達はカウンターに座り即、注文した。
お決まりの親子丼を。

5分程して目を合わすことが辛い程、眩しい奴っがテーブルに運ばれて来た。
僕らは手を合わせて、即ガッついた。

『むふぉ・・・』
一口目を口に頬張ったじが、むせるように理解できない言葉を発した。
僕らはひたすらガッついた。
ただガッついた。
ひたすらガッついた。
一心不乱にガッついた。
一生懸命ガッついた。
呼吸することすら忘れて。

『はふぉ・』
口に熱い親名古屋コーチンと、子供卵と、親友白米、の芸術的ともいえるハーモニーが口の中でなんともいえないリズムで乱舞する。
狂ったように絡みあって踊りまくる。

『ふぁふぁふぁ・・』
じは笑いながら名古屋のニワトリ親子をかっこんだ。
僕は笑いたいのをこらえてひたすらかっこんだ。
もったいないのだ。一瞬でも目と気持ちをその親子から離すのが。
箸休めのおしんこや、吸い物にも目もくれず胃の中に
流し込む。

休みたくないのだ。
大きなお世話なのだ。
僕の箸は休まず働きたがっているのだ。
息を吐かずに吸う一方で、吸ってばかりいる息に合わせて、さらに親子丼を吸い込む。
むせようと止まらない。
後ろからユニホームを引っ張ったくらいで僕のドリブルは止まらないのだ。
完食した。米粒一つ残さず文字通り完食した。
全部食べてから口の中の味を、余韻を消してしまうような気がして気が進まないぬるくなった吸い物を一気に飲んで、おしんこをまとめて口に放り込んだ。

3分しないで全てを完食したんじゃないか、そんな感じだ。
1ラウンドKO勝ちそんな感じだ。
僕は1ラウンドで親子丼をやっつけた。
『ごちそうさま』
両手を合わすと、じはまだ味わっていた。
じは感動しながら食べていた。

僕同様、うまいもんに素直 に感動できるじが僕は好きだ。
店を出ると、じは僕に抱き着いた。
じは今年一年分の笑顔を早くも使い切ってしまった。それ程の笑顔を僕に見せた。
うまいもんが好きな奴と飯を食うのは楽しい。

その後、じは8000円のトロをアメ横で買ってJRで松戸に帰った。僕は京成で家路についた。
電車の中から見える暗く、暗い景色の中のところどころに流れる街頭や看板の光り、そして家達の灯りを見ながら次ぎは何を食おうか考えていた。
次ぎにじと一緒にどこへ連れていこうか、何を食おうか考えていた。

今日は春日部にあるリキジムに練習に行ってきた。
今、帰りの電車を待ちながら僕以外、誰もいないホームで電車を待っている。

全日本を辞めたというのに練習場所を提供してくれる塩井会長には感謝している。
そういえば会長もうまいもん好きだ。そして僕同様、犬好きでもある。

野田の自宅には、会長の息子、普通よりも二廻りほど大きいシェパードがいる。
ゴルフはやらない僕だけど、その名前は笑った。いいなと思った。
ちょっと怖い顔をしてるがバーディとボギーはかわいい。

会長の畑でとれた無農薬の大根の葉っぱはうまかった。採れたての大根は葉っぱがうまい。
塩でもんでしらすを混ぜてあつあつ御飯にかけて食うとうまい。
会長も本当にうまいもんを知っている。

烏骨鶏の初卵を僕にくれたのは会長だ。
一生に一度しか産まない最初の卵だ。
その卵は、天然記念物の烏骨鶏のお宝卵の中のさらにお宝、お宝中のお宝、まさに卵界のキング・オブ・キングスなのだ。
殻に血の付いた初めて産んだその卵は究極だ。

肝心の味はというと、云うのが勿体ないので云わない。
それくらいうまい。
しかも産んだその日に貰って食べたのだ。
どのくらいうまいか想像してみてくだされ。
そのうまさのさらに上を行ったうまさだ。

話しは大分それたがその会長のもとで今日、練習した。夕方の僕のロードワークのBGMはハイロウズだった。
耳の中でミサイルマンが流れた。

なんかくわせろー。
なんかくわせろー。
なんかくわせろー。
そんなもんじゃねぇー。

本当、何か食わせろ。そんな感じだ。腹減ったぞ。
さて、今日の晩飯何食おう。


2002/01/19 17:19
じを連れて
今日はスポーツジムで動いて夕方じ(野崎真二君)と上野で会うのだ。

なぜ、僕がじと呼ぶかというと、いつもTシャツ作ってくれる彼の兄、野崎さんの名前が真吾だからだ。
名字で呼ぶと同じになってしまう為、僕は親しみを込めて『じ』と呼ぶ。

じはいつも僕の試合前マッサージをしてくれる針灸師だ。
じも僕同様うまいもんが大好きだ。僕に負けじと、僕を羨ましがらせようとうまいもん食って来る度自慢する。
しかしそんな自慢達を鼻で笑ってしまう、あれを今日は食いに行くのだ。
じが以前から僕の話しを聞いて気にしていたあれだ。
気にしまくっていたあれだ。

『この間行かれたんですよね』
どうやら、じは僕のHPのこの日記を見ていたらしい。
今日はじの過去自慢話なんか軽くぶっ飛ばすあれを食いに行くのだ。

今日を境に、じは
『今まで感動した食べ物は、立嶋さんと行った親子丼が・・』
そう、じの職場やプライベートの自慢話の主役が今日から入れ代わるに違いないあれを食いに行くのだ。
親子丼を食いに行くのだ。
限り無く極めたに近い親子丼を食いに行くのだ。

『本当にうまい親子丼食ったことある?』
明日からプライベートでそう周りに自慢する、じのほくそ笑む顔が目に浮かぶ。
今日は昼からスポーツジムで動いてこれからじと待ち合わせている上野に向かうのだ。

今、総武線で新小岩を過ぎたところだ。
電車の中から見える川は薄赤く光っていて、向こうの空はまるで火事のように燃えている。
せっかく燃えているのにその上空には夜の準備をした紺色のカーテンが降りようとしている。
一生懸命燃えている夕焼け空を隠そうとしている。

『せっかちだな』
空は夕方を急かして夜になろうとしている。
もう車内からみる景色は僕の若干上の夕焼けよりも下の、電車の中の僕より下のネオンが目立っている。しかし、夜と云うにはまだ若く、成熟していないキャリアの浅い暗さだ。
夜の大王が
『この若造が!』
云うであろう、微妙な暗さ加減だ。

舌では僕よりも若造のじを連れて僕は店を目指す。
当然、20分歩く。


2002/01/18 15:56
王手
『今のは勝ち負けに入れますか?』

ネコパブの篠原さんは言った。
2連敗した後、最後の情けの『もう一回』
でやっと一回勝ったのだ。

何をやったのかというと、
『王手』
が決めてのあれ。そう将棋 をやって僕達は燃えていたのだ。

篠原さんは、
『立嶋君の無敗神話崩れたり』
それまでPAINでは無敗の僕に初黒星をつけたのだ。

負けるのが嫌いな僕は、PAINのランキングが落ちるわけではなくても、非公式といえども悔しいのだ。
悔しくてたまらないのだ。

将棋はおもしろい。
考えるということを覚える。
集中力がつく。
集中力の持続力がつく。
脳が鍛えられる。
右の脳が鍛えられる。
右脳が強くなるのだ。
スポーツ選手は将棋をやるといいと思う。

それまでコンピューター相手に30分もやると僕の思考回路は完全にマヒしてしまっていたが、続けることによって日々集中力はついていった。
集中力がつくと目に見えないところで効果が表れる。 何が効果なのかは自分で試してくだされ。

遊びとはいえ、負けるのは悔しい。真剣に遊んで、真剣に勝った負けたで喜び、そして悔しがる。それが楽しい。
ある意味当たり前のそのことが今の大人はできていない。
『真剣になるのが恥ずかしい』
『どうせ遊びなんだから』
そうやって遊ぶ時ですら負けた時の言い訳を始めから準備している馬鹿な手本がいる。
そんなのが所詮、手本だからつまらない子供が育つのだ。

大人もっとムキになって遊ぼうぜ。
頑張って遊ぼうぜ。

今日は、晴れだ。朝から晴れだ。て、ことは僕の気持ちも晴れだ。
晴れはいい。気持ちが晴れる。心も晴れる。
空は青く、平行に飛行機雲が二本並んでいる。
昨日の夕方帰りたがらなかった雨雲達はすっかり退散したようだった。

僕は晴れた日の向こう側の空が好きだ。
水色が白っぽくにじんだあの空の色が好きだ。

『昨日も晴れろよ』
二日間さぼった太陽に向かって言った。
二日分の光を放つ太陽向かって僕は言った。

どうやら二日間充電していたらしいことはその眩しさでわかるけど、太陽はそんなことを言い訳もせずただ輝いていた。
充電したての太陽は暖かくそして目を合わせられない程、眩しく寝起きの僕は民家の日景のある道路へ非難した。
冷たいアスファルトから太陽は僕の存在を無視して一生懸命光っていた。

振り返ると、長く続く裏通りの一本道には明と暗、日景と日向の縞がきれいにできていた。
そんな朝だった。

昼前に家を出て、昼過ぎまでファーストフードでコーヒー飲みながら原稿を書き、その後一度自宅に戻った。本日三時半頃、あれがやってくるのだ。
そのうち絶対必要になるあれだ。

『絶対買ったほうがいいですって』
別にネコパブの篠原さんのいいなりになったわけではない。
その意見が正しいと思ったから買ったのだ。
『絶対必要になりますから』
僕もそう思ったのだ。

アスファルトが少し黄ばんだ二時半に僕はチャリンコを漕いで自宅に戻った。
配達予定時刻少し前に余裕を持って待っていようと思ったからだ。
しかし、自宅に着くと道路に一台のトラックが自宅前に停車していた。

『早っ』
朝電話で
『三時過ぎにお届けします』
と言っていたのに。
トラックにはサトームセンとペイントされている。
そう、僕はパソコンを買ったのだ。そのうち絶対必要 になるパソコンを買ったのだ。

トラックの中では配達のお兄さん二人が帽子で顔を隠して昼寝して待っていてくれた。
僕はパソコン持ちになった。使い方はまだ知らないけど。
取りつけもまだだけど。
プロバイダー契約もまだだけど。
箱もまだ開けていないけど。
今、僕の部屋の角ではまだ開封されていないパソコンの部品が積み重なっている。

そういえば今朝、名良橋から電話が入った。

『今、花見川三小(学校)前の村さ来にいるんだけど』三小は、僕とならが昔住んでいた子供の頃の地元にある近所の小学校だ。
『へっ!?』
ならは酒飲めないし、三小の前に村さ来なんてないぞ。だけど、
『わかった、すぐ行くよ』 なぜか僕は了解した。
電話を切ってから
『はて!?どこに行けばいいんだろ?』
僕は悩んでいる。

そこで目が覚めた。
夢だったのだ。

今朝の僕の夢には名良橋が出演した。
友情出演の為、ノーギャラだ。


2002/01/17 18:09

今日は朝から雨だった。
傘をさすのが嫌いな僕は雨も嫌いだ。
濡れてジーパンにまとわりつくあの感覚が嫌いだ。
擦れ違いざま、車がはねる雨水が嫌いだ。
雨なのに車は飛ばすし、危ないから嫌いだ。
晴れならば使わなくていい神経を使わなくてはならないのが嫌だ。
チャリンコに乗る時、傘をさしたところで結局濡れてしまうのが嫌だ。
その時、太股が濡れた湿っぽいジーパンが嫌いだ。
片手でチャリンコを運転しなければならないのが嫌だ。
だから僕は雨が嫌いだ。
何度でも言ってやる、僕は雨が嫌いだ。

今日、嫌いな雨の中、エルビスを散歩した。
昼前に少し原稿書いて、昼過ぎに綾瀬に場所を移した。今日は綾瀬にあるボクシングジムJBスポーツで練習した。

練習が終わる頃には雨はとっくに止んでいて、帰りの電車の中からは、すっかりいつもの夕方になっていた空が見えた。若干いつもと違うのはまだしぶとく居残る雲がいくつか残っているくらいだ。

その薄黒い邪魔者の隙間からオレンジよりは少し赤い形容しずらい色がにじんでこぼれ出ていた。
自分に写真が上手に撮れる技術があればなぁ、そう思った。
今を上手にとることができたらなぁ。
今まで何度となく思ったことがある。
帰ったら絵に書いてみよう。
そう思いながら僕は目でシャッターを切った。

今日はネコパブの篠原さんが我が家にやって来る。
篠原さんが僕の話しを聞いて憧れた鵜骨鶏の卵を取りにくることが目的だ。
憧れの鵜骨鶏のお宝卵を取りに来るのだ。
憧れの天然記念物の鵜骨鶏の卵を取りに来るのだ。
そう鵜骨鶏は天然記念物なのだ。
卵はいいのか?食べてもいいのか?
ひよこにならない無精卵なのか?だから平気なのか? 色々謎は多いがそのお宝卵を篠原さんに今日渡すのだ。

篠原さんの笑顔が、
『うまいっすねぇー』
そしてニヤケた笑顔が目に浮かぶ。
篠原さんも僕同様、うまいもんをありがたがる。
心を揺さぶるうまいもんをありがたがる。

『食べもんなんてどれも一緒』
『口に入ったってどうせ糞になるんだから』
そんな寂しい人間に僕はなりたくない。

何万かけて本当にうまいと思ってもいない、ヨーロッパのナンチャラ料理よりも本当にうまい、心の底からうまいと思える親子丼の方がいい。多少高かろうとそっちの方が正しい贅沢だと僕は思う。
僕の次の正しい贅沢は何だろう?


2002/01/16 23:20
船橋の若大将
今日は朝っぱらから天気が悪い。微妙に天気が悪い。
時間のわからない微妙な天気だ。勝手に時間を変えたとしても誰も気付かないであろうそんな天気だ。
空を見てもだいたいの時間すらわからない、そんな天気だ。
雨が降るんだか、降らないんだかわからない、僕の嫌いな中途半端な天気だった。

降りたいのか、降りたくないのかどっちだ!?

朝の散歩中雨に降られたくない僕は、中途半端な色をした空に向かって叫んだ(心の中で)。それによって散歩のコースが違うからだ。
雨が降るなら早めに帰らなくてはならないのだ。
濡れるのが面倒なのだ。嫌なのだ。

泥だらけになられたらたまらないからだ。
自分が濡れて、ムンクやエルビスまでも濡れたら大変なのだ。ビショビショになられたら拭くのや洗うのが大変だからだ。
当然、我が家の若大将2人(2匹とも言う)のことだ。

朝から仕事を増やしたくないのだ。だから、短いコースに切り替えることにした。

今日が最後の朝の散歩なのに。
今日が僕とムンクとエルビスの最後の朝なのに。
今日が僕とムンクとエルビスの最後の船橋なのに。
最後の船橋の散歩なのに。

夕方には父ちゃんが迎えに来て連れ去られてしまうのだ。僕を誘拐犯扱いした父ちゃんに連れ去られてしまうのだ。

正確にはまた、那須にエルビスを連れて行けば、また遊べるから最後ではないのだけど。

けど、最後なのだ。正確ではなかろうが今日で最後なのだ。
今日、ムンクは那須に帰ってしまうのだ。
ムンクはもう那須の住人だから。
『もう、ムンクの住民表移したから』
ムンクはまだ僕の子だ、と言う僕に母ちゃんは言った。

今日くらい晴れろよ!
最後の散歩くらいさせろよ!
僕は微妙な空に悪態をついた。
結局、天気は良くなることなく、夕方はもっと悪く雨だった。
夕方もうんこと小便するだけの雨用の散歩になった。
ムンクは雨の中、腹を泥だらけにして最後の船橋の道を爆進した。

僕の部屋で食い散らかしたドライフードを取り合うのも今日が最後だと思うと、それを見て笑いながらもどこか寂しかった。

目を落ちそうなくらいひんむいて、二本足で立ちパンチングボールを叩くボクサーのようにエルビスに向かって猫パンチを連打する。

それに対してエルビスも同じようにムンクに対して猫パンチを打ち返す。
同じ猫パンチでもエルビスのパンチはスナップがきいている。
自分から仕掛けたくせにムンクはいつも劣勢だ。
2年振りの僕の部屋での日常も今日で最後だと思うとどこか寂しかった。

『ごめんな』
エルビスに謝って僕は親父が迎えに来る夕方までムンクを抱いて昼寝した。

夕方父ちゃんと船橋駅改札でムンクを渡した。
『はい、これ』
出張帰りの父ちゃんは僕に土産をくれた。
ムンクの身の代金はアジの開きだった。

犬用のバッグにムンクを入れて首だけ出した状態で父ちゃんに渡すと、ムンクは目をひんむいて首を振ってバッグから出ようとした。
まるで活きのいい魚のようにムンクはバッグから飛び出した。
トドのような中年太りを したムンクは捕りたての魚のように活きがよく父ちゃんに飛び付いた。

しょうがねぇなぁ。

0歳の頃からなぜかムンクは父ちゃんになついていた。0歳のころからムンクはなぜか親父臭漂っていた。
0歳の頃から親父臭漂うムンクはなぜか父ちゃんになついていた。
かったるそうに歩く、歩き方までそっくりだ。

『お父さんそっくりね』
元、地元千葉にいた頃誰もが言った。

親父歩きをするムンクが僕は大好きだ。
犬のくせにタンが絡むムンクが僕は大好きだ。
くしゃみをしながらタンが絡むムンクが僕は大好きだ。
夏なのに鼻水を垂らすムンクが僕は大好きだ。

ムンクは父ちゃんと一緒に帰って行った。
寂しかったけど家に帰れば僕にはエルビスがいる。
部屋に入るとエルビスも寂しそうだった。
エルビスもやっぱりムンクが好きなのだ。

犬のくせに仰向けで寝るくせに。
自分のいびきにびっくりして起きるくせに。
白目をむいて寝るくせに。
散歩の時、うんこを小出しにして6回もするくせに。
夏の散歩の時、暑いとすぐバテて寝て腹を冷やしたがるくせに。その時、重いなと思って振り返ると寝たムンクを引きづっていたりしても。僕もエルビスもそんなムンクが大好きだ。

愛すべきろんぱり、立嶋ムンク。やはり奴の存在感は果てしなく大きい。


2002/01/15
立嶋ムンク
今朝、二年振りにムンクとエルビスを連れて散歩した。我がホームタウン千葉で二年振りにムンクとエルビスを散歩した。

昨日船橋に帰ってきた時、船橋駅前で思い出したように匂いを嗅ぐムンクは、まるで数年振りに古里に帰ってきて、それを懐かしんでいるかのようだった。
長年小便を掛けていた、引っ掛け続けた場所を一つ残らず掛けていた。しらみ潰しに掛けていた。
まるで一つもミスを犯せないかのように一生懸命小便を掛けまくった。

いつもの散歩道も覚えているだろうか?
ムンクが長年僕と暮らした船橋を覚えているか不安だった。
心配した僕が馬鹿だった。 ムンクは昔通り散歩道を元気に歩いた。

夕方のような斜めからのオレンジ色の光の中、ムンクは昨日もおとといもいたかのように我がもの顔で歩いた。
夕方と違うのは空気が冷たいということと、息が白いということ、それに周りが忙しなく動いているということ。

マスクを口に当て、肩をすくめながら早足で駅に向かう中年サラリーマンを尻目に僕はのんびりと船橋の街中を歩いた。ムンクは偉そうに歩いていた。

二年前のムンクと違うのは奴が道路の真ん中を堂々と歩いてしまうことくらい。 那須では車の方が遠慮して走って
くれるから調子に乗って堂々と歩く。偉そうに歩く。ふてぶてしく歩くのだ。

散歩を終えると二年前までと同じように飯の取り合いでケンカする。
『おいおい・・・』
一応止めながらも僕は笑顔だった。

器からこぼれたどちらのものかわからないドライフードを取り合ってケンカするのは僕の部屋での日常の出来事だったから。
僕はそれを懐かしく思いながらに眺めていた。
それを見て、ムンクがいるだけでこんなに賑やかになるんだなぁと、しみじみ思った。

そんな二年前までの生活を懐かしく思いながらムンクの存在感の大きさを今日一日えていた。


2002/01/14 23:10
誘拐
朝、起きて、まだそんなにあったかくなってないこたつから外を眺めた。

豆から入れるのがめずらしく面倒臭い僕はインスタントコーヒーを飲みながら外を見ていた。
コーヒーにはうるさい僕がめずらしく インスタントを飲んだ。インスタントを飲むのは何年振りだろう。
コクもなく深みのない、ただあったかく薄っぺらい味のコーヒーを飲みながら都会ではまず見れない野鳥達を僕は眺めていた。

昨日に引き続き野鳥達が遊んでいるのを、父ちゃんが一生懸命作ったピーナツの殻を針金でつないで小屋にぶら下げた腸詰めのようなエサをつつくのをただ眺めていた。

窓ごしの僕の視界の中を、右に左に交差しながら行ったり来たりする野鳥を眺める僕に、
『あれはねぇ・・・』
母ちゃんが野鳥の名前を教えてくれるのだが僕にはさっぱりわからなかった。
僕にはそれがキツツキの仲間だろうと、いかに珍しい鳥だろと全て一緒に見えるからだ。
僕には全てがめずらしい鳥だからだ。

今回僕はムンクを連れて帰る為、エルビスは預けて来たのだ。帰る時、に左右の肩に10キロづつ背負うのは中々身動きが取りづらいと判断してエルビスは那須に連れて行かなかったのだ。

以前はエルビス同様、僕の扶養家族だったムンクを2年振りに千葉に、僕の元に連れて帰るのだ。連れて帰れるのだ。エルビスに負けず劣らず僕のムンクに対する愛情は深いのだ。親父に負けず劣らず僕のムンクに対する愛情は深い。

今回ムンクを連れて帰る理由に虫歯の原因歯石を取ることや、足を引きづる原因を調べる為、こっちの病院に行くことになったのだ。
先日、麻酔無しで歯石を取ってくれる獣医を見つけてエルビスの歯をキレイにしてもらったことがあったことがきっかけでムンクも今のうちに歯をキレイにしておこうと思ったのだ。

歯石を取る場合、たいていは全身麻酔をかけて手術するのだ。
歯の治療で一々全身麻酔かけるなんてかわいそうだ、という僕の個人的な見解で今まで歯石は取らないでいたのだ。
その病院に行く為に今回、ムンクを連れて帰ることにしたのだ。

今日は祝日なのに親父は出勤で早朝に家を出た。
出勤後、朝から実家に電話が入る。

『ムンクはもういないのか?』
『篤史はもう、連れてったのか?』

電話口で、まるで僕が強引に連れ去ったかのように云う。
昼前にも電話が鳴って、

『気が気じゃない』
『落ち着かない』
『大事に扱ってくれよ』

まるで僕は人質を立て籠もった誘拐犯のようだ。
結局、僕はムンクを拉致するように(?)那須を出た。

帰ってきて、二日振りに会うエルビスはご主人の僕よりもまずムンクに尻尾を振って飛び掛かった。
僕は嫉妬する前に、それを 見ながらただ喜んだ。
兄弟(血の繋がりはないけど)の再会を傍目に見て。


2002/01/13 20:36
那須は寒い
僕は今、昨日に引き続き那須にいる。
那須は寒い。とても寒い。
朝っぱらから寒い。

庭には、親父が作った鳥小屋とその周りに腸詰めのようにピーナッツがぶら下がっている。
那須の庭では朝からその鳥小屋に野鳥が群がっている。雪の積もった寒い中、その野鳥達は、その小屋で遊んでいる。寒さを忘れて夢中になって遊ぶ子供のように。朝の朱色の光が窓から射し込む部屋の中から、部屋のコタツの中からその景色を見ていた。

今日は普段食べない朝飯を食べて、温泉に行った。
露天風呂から積もった雪を見ながら、のんびりと朝風呂に浸かってから立嶋家一行は昼飯へ場所を移した。

駝鳥料理を一度食いたい僕は昨日から今日の昼飯決めていた。
そして今日の昼飯は僕の強引な予定通り駝鳥料理になった。

駝鳥の卵はどんな味なんだろう?
僕の期待は勝手に脹らんだ。しかし、テーブルに座りメニューを見ると、あらびっくり。
ないのだ、卵料理が。一品も。あるのは肉料理のみだった。
なぜか山奥なのにいくら丼やサーモン丼などがメニューに名を連ねていた。

僕は焼き肉、刺身、ハンバーグなど全て駝鳥料理を注文した。変わったところで首の肉も注文した。

駝鳥の肉はうまかった。
赤身の駝鳥の肉はさっぱりしてうまかった。

もともと、その店はアヒルやニワトリなども放し飼いにしている駝鳥(ダチョウ)牧場で、以前から地鳥の烏骨鶏(うこっけい)の卵を買いに行った時から僕は不思議だった。そこに駝鳥がいることに。
まだ去年オープンしたばかりというけど、客は口こみでそれなりに来ていた。

僕は昨日、親父が前回食べてなかなかだったという、 駝鳥の握りを食いたかったが、好評の為、予約制になっていて残念ながら食えなかった。
駝鳥寿司は次回のお楽しみにすることにした。
別にそれくらいどうってことないのだ。少し残念だけど。

しかし、本当の僕のお目当ては烏骨鶏の卵だから気にしないのだ。
いつもめったに卵を生まない烏骨鶏の卵が僕の本当のお目当てだからだ。
最近実家に帰ると必ずここでお宝の烏骨鶏の卵を買うのだ。

烏骨鶏は二週間に一度くらいしか卵を生まないのだ。それは、まさにお宝的卵なのだ。
都会では一個、500円以上するお宝卵なのだ。一バックではなくて一個500円以上のお宝卵なのだ。
普通の卵よりも一廻り小さいその卵を二個かけて食う卵かけ御飯は最高にうまい。その卵にもはや醤油などいらないのだ。

そのお宝を僕は五パック購入した。都内なら一万以上する料だ。
五パックで三千円也。安い買い物だ。
卵はざまぁみろ!担当ネコパブの篠原さん他のおみやげだ。当然自分の胃袋用込みだ。

焼き肉といい、刺身といい
駝鳥料理全般安かった。
一品、三・四百円だった。
また来たい。

昨日の晩飯は母ちゃんお手製、野菜ぶち込みトン汁うどんだった。トン汁でうどんを煮込んだものだ。
うどんが加わったことによって、僕の予想は75点になってしまった。

今日の晩飯はこれまた母ちゃんお手製、厚さ五センチはあろうかという巨大ハンバーグだった。
今日も腹一杯。

時間はまだ八時半だけど早くもやることがない。
那須はもう夜中のように静まっている。

2002/01/12 19:56
立嶋帰省
僕は今、東京駅の新幹線のホームにいる。
これから実家に帰るのだ。
実家の那須に帰るのだ。
深い意味などない。
正月帰れなかったから今日行くのだ。正確には帰らなかったのだけど。

人ゴミ大嫌いの僕は年末年始に限らず、土日祝日は外出しないのだ。絶対しないのだ。
映画見に行くときだって、平日の一番最初の回しか行かない。
買い物だってそう。平日しか出歩かない。
いちいちイライラなんてしたくないからだ。
移動するとき乗り物などで一々待ちたくないからだ。
そんな土日外出が嫌いの僕だけど今日は理由があって実家に帰るのだ。

な・何ということだ。
僕は発車30分前にホーム1番前で並んで掃除が終わるのを待っていた。しかし、そこは何と喫煙車両だったのだ。
一口もたばこが吸えない僕は、慌てて禁煙車両の列に並び変えた。
禁煙車両の一番後ろに並んだ僕だけど、なんとか座ることができた。
それから数十分、無事に乗ることができて今、宇都宮に着く頃だ。

今日の晩飯は何だろう?
何日続いても構わない大好物母ちゃんお手製コロッケか?それとも我が家の冬の定番トン汁か?それか、超巨大ハンバーグか?
不器用な母ちゃんの作る腹一杯、一品料理は逸品だ。
そんなこと考えながら新幹線はもうすぐ終点那須塩原に着こうとしている。
晩飯がとても気になる。

ムンクは僕のこと覚えているだろうか?
2年前まで僕が7年間育てたムンクは、元ご主人の僕を覚えているだろうか?
実家がまだ千葉にあったころ、週末に預けるだけなのに僕より親父になついていたムンク。ご主人の僕にそっけなかったムンクは僕に尻尾を振ってくれるだろうか?前回と同じようにシカトされるような気がする。

今、那須に着いた。
あぁー腹へった。
まずは飯。されど飯。とにかく飯。
これから実家へ向かう。


2002/01/11 21:20
本日の晩飯
ただ今晩飯中!

今日の僕の晩飯は、コロッケ。大好物のコロッケ。子供の頃ステーキよりも御馳走だったコロッケ。
子供の頃母ちゃんの作ったコロッケはうまかった。
荒いパン粉のコロッケはうまかった。
肉よりもじゃが芋の方が多いコロッケだった。それはとても大きく、僕は何杯もおかわりした。
表面はカリカリに揚がって中はアツアツにできあがった不細工なコロッケは何よりも御馳走だった。
おかずはそれだけだった。
テーブルに並べられた山盛りのコロッケの他には山盛りの千切りキャベツが並べられた。
それらにしこたまソースをかけて、それをまず口にほおり込む。その後、白米を多めに口の中にぶち込んでよく噛んで口の中でまぜ合わす。
御飯とコロッケとソースのハーモニーは何ともいえず、僕の口の中でそれらは踊った。芋が多いコロッケだから喉はとても乾くのだ。

そんな思い出を今噛み締めて、芋の少なく肉の多いコロッケを口の中で踊らせている。母ちゃんのコロッケよりは格の落ちる肉屋の牛肉たっぷり、できたてコロッケを買ってきた。それが本日のメインディッシュなのだ。そして、今日は豪華に生卵付き。しかも、昨日打ち合わせ前にネコパブの篠原さんが僕の分まで買ってくれた地鳥の名古屋コーチンの生卵が付いているのだ。

スーパーの倉庫に詰め込められた運動もしない、病気防止の為、抗生物質を餌にぶち込んだ鶏の卵と違い地鳥の卵は生臭くないのだ。醤油を入れなくても食えるのだ。それまでぼくはスーパーの卵には臭くて醤油を多めに入れて卵かけ御飯を食べていた。生卵はどれも臭いと思っていた。
だが一滴も臭くないのだ。 少しも醤油を垂らさなくても。
いい生卵の匂いだけがして醤油を垂らすのが勿体ないくらいだ。

僕は一口食べた。
うまい。さすが地鳥。さすが名古屋コーチン。さすが地鳥の名古屋コーチン。
コロッケで一杯。卵をかけて一杯、それが今日の晩飯だった。
堪能した。うまかった。

しかし、晩飯前に首から下げた携帯が味噌汁の中に・・落ちてしまったのだ。
僕はいつもネックストラップで携帯を首から下げている。以前、僕は尻のポケットに入れて携帯を持っていた。その時うんこがしたくなって便所に行って尻に入れてあった携帯をシャツのポケットに入れてズボンを下ろすと何と、うんこは引っ込んでしまった。

うんこが引っ込んでしまった僕はそのまま大便用の便所で小便だけをして流すため前かがみなると、

『ポチャ・・』
『あ・・・!』

便器の中に僕の携帯が落ちてしまったのだ。
あわてて便器の中(自前の小便付き)に手を入れて救出しようと思ったが、時すでに遅し。分解してドライヤーで乾かそうと、緊急手術を試みたが僕の携帯は水没と云う形でその生涯に幕を降ろした。

今、充電してないのに充電中の赤いランプがついている。そしてバッテリーのマークは点滅している。
味噌の塩分で僕の携帯はおかしくなってしまった。
明日この日記ができるか不安だ。


2002/01/10 20:08
本当の御馳走
今日、僕は上野でネコパブの篠原さんと菅野さんとHPの打ち合わせをしてきた。

13時に上野丸井前で待ち合わせ(丸井前なんてまるでデートの待ち合わせみたいだ)して会ってもすぐには打ち合わせしないのだ。僕達は。
まず飯。とりあえず飯なのだ。

まず、僕達はそこから20分ほど歩いた某店を目指した。
ついたところは立嶋行き着けの大好きなあれ、そう黄金に輝くあれがお目当てで20分も歩いたのだ。
一度、味をしめた菅野さん、篠原さんは一言も愚痴をこぼさない。あの味をしっては30分歩こうと文句はないはずだ。

さすがに一度目は篠原さんも『まだですかぁ?』
と不満をこぼしたものの、その味をしめてからというもの今回は何も言わなかった。

そう、辿り着いたところはそれまで立嶋が甘く見ていた親子丼を食わす店だったのだ。それまでは食べるけど特別うまいと感じたことなかった親子丼だった。あるきっかけで一度その親子丼を食ってからというもの僕はそこの親子丼のとりこになってしまったのだ。

それほどうまい。うまいのだ。
それまでの親子丼の固定観念をくつがえす、そんな親子丼だ。昼過ぎだけど並んで待たないとその親子丼は食えない。それでも誰も文句一つ言わない。

その親子丼のすばらしさを一度食べて知っているからだ。
テーブルに着いて僕達は上親子丼を注文して待った。 テーブルにそれが来た。
憧れの親子丼。黄金に輝く親子丼。高級ぶった外国かぶれの店なんかより断然うまい親子丼。本当の御馳走親子丼。日本人の心親子丼。

僕らはがっついた。そこには余分な会話などなく、ただがっついた。
会話をすることを忘れたようにがっついた。
本当の御馳走を皆、知っているのだ。本当にうまいものを食べるとき、夢中になってしゃべることすら忘れる、そんな親子丼だった。
打ち合わせが始まったのは15時過ぎだった。

そんな心を動かす食べ物が本当の御馳走だ。
そんなこと言ってたらまた食いたくなってきた。しかし、もう電車の中。しかも千葉県に入ってしまった。


2002/01/09 22:13
今朝の散歩中エルビスがうんこしてから気がついた。
袋がないことに。

いつもエルビスの散歩の時に首から下げているバッグを忘れたのだ。
そのバッグにはうんこを拾う用のビニール袋と尻拭きティッシュ(当然エルビスの)が入っているのだ。
そのティッシュは、うんこを拾い損ねて指にうんこが付いた時には僕の指拭きになる。その大切な散歩の必需品を忘れてしまったのだ。

どうやら寝ぼけて忘れたらしい。というよりも、いつも寝ぼけている時は忘れることが多いのだけど。

人通りや、車通りがある道で。しかも、民家の前で。
僕はあせった。

違うのだ。
僕は犬のうんこを拾わない馬鹿な飼い主なんかとは違うのだ。

『おれはそんな奴じゃないのだ。袋を忘れただけなのだ。見ないでくれぇー!』

心の中で叫びながらその場を立ち去った。
どんなに『いつもはちゃんと拾ってます』と、言ったところで目の前のうんこはどうすることもできないからだ。

葉っぱでくるんで持って帰ろうとも思ったけど、その勇気が僕にはなかったのだ。鮮度抜群のエルビスの生うんこを葉っぱでなんて拾う勇気が僕にはなかった。
だからその場を立ち去ったのだ。

『この憶病者!!』もう一人の自分が心の中で叱咤した。

自宅に戻り、僕はエルビスの足を洗い、飯をあげ、金魚にも飯をあげチャーリー4号を漕いで現場へ急いだ。
完全犯罪も考えたが、マナーの悪い馬鹿飼い主なんかとは一緒になりたくないからだ。
現場には、表面が乾いて、色の変わって、もはや鮮度の落ちたエルビスのうんこが冬の青空の下、民家の玄関の前に寂しく置き去られていた。

チャーリーを止めて僕はぶつ(物)を拾った。
拾い上げると裏から小さな湯気が・・。
よかった。鮮度はまだ落ちていなかった。
そんな朝だった。
僕は犯罪者(たかがうんこ)になるとこだった。
しかし、されどうんこなのだ。

うんこはちゃんと拾おう、 鮮度のいいうちに。
一、飼い主より。


2002/01/08 19:55
今、僕は某所ファーストフードでコーヒーを飲んでいる。今日はオフで、原宿にあるバッツという店に行って今、帰りなのだ。いつもポンチョを作ってくれるバッツさんに『ざまぁみろ!』を 届けに行ってきたのだ。

昼に食ったカツ丼がまだ消化されずに喉元まであるように腹が一杯なのだ。そんなわけで今日の晩飯は早くも抜きに決定。
今、ボーっとしながら、コーヒー飲みながら、本読みながら、たまに思い出したように原稿書きながら一息付いている。

昨日、この店に来た時、僕の席にコーヒー持ってきたお姉さん(従業員)が、

『ライターさんなんです?』
『え?』

僕は笑った。バリバリ体育会系の立嶋をつかまえて
ライターですか?だなんて。確かにいつも原稿用紙テーブルに広げて何時間も店にいるけれど。

『違ういますよ、何で?』
そういう僕に
『何書いてるんですか?いつも原稿用紙広げて。本でも書いてるんですか?』
確かにテーブルの上には原稿用紙とノートが数冊乗っている。

『さぁ、何でしょうねぇ。本なら出してますけど、一冊だけ』
『小説ですか?』

どうしたら僕が小説家に見えるのだろう。

『いえ、自伝す』
『タイトルは?』
『ざまぁみろ!』

お姉さんは笑いながら何かを含んだ笑顔を見せた。
何がおかしかったのだろう?タイトルが?
それとも僕が本を出したことが?

少ししてもう一度そのお姉さんが僕のとこへ来て
『今度持って来て下さいよみんな見たいって言ってるんで』
貸して欲しいのか、それともただ欲しいだけなのか、解らない僕は、どうしたらいいのか考えるのが面倒臭い僕は、
『そこの本屋で売ってますよ』

ちょっと冷たいかもしれないが恥ずかしいのだ。自分の本を持ってくるのが。
親にも恥ずかしくて渡していないというのに。
お世話になった人でさえ何人も渡していないというのに。
目の前で表紙を捲られるのが恥ずかしくてしょうがないのだ。

そのお姉さんは今日、休みだった。
そんなこと思い出しながらコーヒーを飲みながら原稿を書きながら会報の内容を考えている。

もう8時だというのに今だに腹は減らない。


2002/01/07 18:29
日記第2弾!
今、某ファーストフードで原稿と会報を書きながら考えている。今、注文したチャイ(インドのミルクティー) がテーブルに来たところだ。

今日はこれからレンタルビデオ屋行って、本屋行って帰りだ。
原稿は昨日頑張った分進まなかった。
新しい会報も早く書かなきゃ。新しい会員証も早く作らなきゃ。

今月26(土)は我がペインで府中に競馬(第二回)に行くのだ。来月3(日)は第5回ボーリング大会。23(土)は新横浜ラーメン博物館でラーメン食いまくり大会。そのことも会報に書かなきゃなぁとチャイ(残り僅か)を飲みながら考えている。

映画も見てねぇなぁ。映画不足の毎日が続いてる。あぁ腹一杯映画が見てぇなぁ。そんなこといってたら酢豚が食いたくなってきた。


2002/01/07 13:36
日記第1弾! 続きは夜
今ロードワークを終えて風呂上がりだ。風呂上がりにコーヒーを飲みながらこのメールを書いている。

朝、エルビスの散歩を終えて、エルビスと金魚に飯あげて、チャリー4号磨いて、走って公園でシャドーして今、コーヒーを飲んでいる。
マイコーヒーメーカーで入れたコーヒーを飲んでいる。人から貰ったハワイコナだ。
どうやら粉を多く入れすぎたらしい。とても苦い。ただでさえハワイコナは独特な匂いと味があるというのに。

あと20分したら銀行に家賃を払いに行かねばならないのだ。先月末振り込み先を間違えてもう一度振り込まねばならないのだ。
しかも、送料もう一回払わねばならないのだ。たかが約600円されど約600円。


2002/01/06 18:19
今本日の任務(エルビスの散歩)を終えて録画ボタンを押したところだ。
ハイジを録画するために。

子供の頃見たアルプスの少女ハイジ(WOWOWで放送中)を録画してもう一度、一話から再終回まで見たいのだ。姉がいる僕は女の子物のアニメをよく見た。ママゴトもよくやった。穴なしパンツもはいていた。 ハイジはそんな僕の子供時代の良き懐かしき時代を思い出させてくれる貴重なアニメだ。昨日一話撮り逃したのが残念でしょうがない。頑張って最後まで撮り逃しのないようにしたい。

クララはまだ登場してない。


2002/01/05 18:04
今、某ファーストフードにてコーヒーを飲んでいる。
正確には3杯目、そして3杯目はカフェラテなのだけど。

昨日後楽園ホールに行って来た。リキジム時代の後輩2人の試合を見るためだ。会長からチケット貰って正面入口から第一試合開始10分前の17時50に会場入りした。残念ながら2人(佐手と工藤)共負けてしまったけど、一番残念なのは、自分が部外者になってしまったので控室に入ることも、セコンドにつくことも出来なかったということ。別に全日本辞めたこと自体は後悔なんてないのだけど、力になれない蚊帳の外になった自分が悔しかった。

今、そんな昨日のことを考えながら3杯目のカフェラテを飲んでいる。
今、自分はオファー待ちでどことも具体的な話はしていない。だけど早く試合がしてぇなぁ、そんな感じだ。キックボクサーは試合してなんぼ、キックボクシングしてなんぼだから。もう酸欠だ。早くあそこの酸素が吸いたい。

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